腎臓病の食養療法

腎臓 マクロビオティック羅針盤

腎臓病の原因

腎臓の重さは約150g。腰の高さに、背骨を挟んで左右に一つずつあります。心臓から送られてきた血液を処理し、正常化するのが主なはたらきです。

尿管と膀胱で外部に通じているため、粘性の脂肪酸がたまりやすいです。

特に、乳製品、白砂糖、果物、果汁、アルコール類、コーヒー、刺激物、薬物、清涼飲料水、その他冷たい飲み物などの極陰性(体を冷やすもの)の摂りすぎが腎臓病の大きな原因です。

同時に肉、魚、卵、魚介類などの摂りすぎも腎臓を硬化させる原因になります。(動物性タンパク質は余剰な尿を作ります。)

また、腎臓結石にはほうれん草、ココア、胡椒、木の実、紅茶などに含まれるシュウ酸カルシウムが関係しています。

腎臓病の食養療法

食事は、マクロビオティック基本食(食養療法時)に従います。そこに、以下の事項も加味していってください。
味噌汁の味は「やや濃いめ」が良いです。
よく噛むことはとても大切です。一口につき200回噛みましょう。

主食と副食

主食(全粒穀物)…5割~6割

玄米ご飯に、黒米を混ぜて炊くと良いです。黒っぽい色の穀物は排尿器官の健康を保つのに良いです。ソバもおすすめです。

副食…4割~5割

野菜の中では、ゴボウ、ニンジン、大根などの根菜切り干し大根干し椎茸のような乾燥野菜小松菜や白菜などの冬野菜が良いです。

味噌汁は毎日摂ると良いです。具として上記の野菜を入れましょう。

また「小豆かぼちゃ(レシピ)」は腎臓の流れを良くしてくれます。「ねぎ味噌(レシピ)」も、弱った腎臓機能を強化してくれますから、ご飯にほんの少し添えて食べるようにしてみてください。

海藻も腎臓に力を与えてくれます。特に昆布が良いです。玄米ご飯に混ぜて炊いたり味噌汁の具にして毎日摂りましょう。

豆は、小豆、黒豆などなるべく小粒なものを選びましょう。

禁忌食(食べてはいけないもの)

陽性が強すぎるもの
精製塩 / 卵 / 鳥肉(鶏、鴨、きじなど) / 獣肉(牛、豚など) / チーズ / 魚介
陰性が強すぎるもの
白米など精製した穀物 / 冷凍食品、缶詰 / 熱帯性の野菜、果物全部、ナス科の植物(ナス、トマト、ジャガイモ) / 牛乳、クリーム、ヨーグルト、アイスクリーム / 刺激の強い飲み物(コーヒー、紅茶など)) / 香辛料 / 砂糖など精製した甘味料 / アルコール / 防腐剤、着色料など化学物質を含んでいる食品
果物や果汁は、たとえ温帯性のものでも避けた方が良いです(しかしながら、たまの楽しみとして果物を摂りたいときもあると思いますので、そのようなときはりんごが最も陽性でお勧めです。)

その他アドバイス

よく噛んで食べる
水分を摂りすぎない

特に腎臓病の場合、マクロビオティックの伝統的な考え方では水分の摂りすぎは害になるとされています。ただ、だからといって水分不足も身体に良くないので、過多になりすぎない程度に、体調をみながら、十分に水分は摂るようにしてください(飲料水としては、不純物のない蒸留水がお勧めです。うちでは蒸留水器を使って水を作っています)。

脂を溶かしてくれるもの

生の大根は腎臓の脂を溶かしてくれます。大根おろしに水を加えて加熱したものを食べると良いです。「干し大根、椎茸、小豆のスープ(レシピはこちら)」にも脂を溶かす効果があります。三日に一度、小さなカップに一杯、一ヶ月飲むと良いです。

余分な医薬品は避ける

腎臓に負担をかけるので、余分な医薬品等はなるべく摂らないようにしましょう(ただし、医師の指示によって処方されている薬に関しては医師に従って規定通り飲むようにしてください)。

少食を心がける
食事の総摂取量を減らすと腎臓への負担が減ります。
夜遅くに食べない
遅くに食べると排尿機能に負担がかかるので、できれば寝る五時間前には飲食を済ませましょう。
(この項の主な参考文献:久司道夫著『THEマクロビオティック』p.272-p274)