半年ぶりのおかだ紅雪庭
2012年10月に1万2千円の会席コースを食べてから半年。母と連れだって久しぶりにおかだ紅雪庭に行くことにしました。
↑到着したのは夜の七時近く。急に思い立っての訪問だったので特に予約もしていなかったのですが、無事席に案内してもらえました。
↑通されたのはこちらの席(写真奥)。一室にテーブルは二台ありますが、この部屋の客は私たちだけだったので個室のような感じで使えました。ふすまの向こうでは四人ほどのグループ客がわいわいと歓談していました。
桜が生けてある
↑四月といえども北海道にはまだ雪が残り、桜が咲くにはもう少しかかるのですが、廊下に桜が生けてありました。春の風情を感じさせます。
↑テーブルの上にも桜。こういうのがあるとなんだかホッとしますよね。
夜の5000円コース
↑おしぼり、ほうじ茶、メニューが出てきて、さあ何を頼もうかとなりました。事前に目をつけていたのは冬季限定(四月末まで)の「きのこ蕎麦」。
けれど、久しぶりにここまで来て、きのこ蕎麦だけで帰るというのもなんだかつまらない。
じゃあ、前から一度は食べてみたいと思っていた「夜の五千円コース」、頼んでみる? 一日限定10食だというけれど、まだ間に合うかな?
ということで店員さんに聞いたところ、幸いなことに「大丈夫」だとのこと。そこで私たちは「夜の五千円コース」を二人分注文し、当初食べる予定でいた「きのこ蕎麦」も一人前だけ頼んでみることにしました。
手作り豆腐
↑最初に運ばれてきたのはおかだ紅雪庭名物「手作り豆腐」。京都の豆乳と四国のにがりで作られています。
↑これが、トロトロクリーミーで、大豆の香りも生きていて、美味しいんですよね。
煮物椀
↑次は「ホタテと菜の花の煮物椀」です。桜の花びら型になっているのはウド。食材が春を感じさせます。
↑入っているホタテはこんなに大きい! プリプリです。上品なカツオ出汁が美味しかった。
鴨鍋
↑次に出てきたのはこちら。生の鴨肉に、水菜、しめじ、ねぎ……。とっくりには割り下(出汁を醤油や酒で味付けしたもの)が入っています。
↑続いて、カンカンに熱された鋳物鍋が登場! ここに、先ほどの具材を店員さんが入れて軽く炒め、割り下を注いでフタをし、待つことしばし。鴨鍋の完成です。
↑皿に取り分けて食べます。味がちょうど良く染みて美味しい~。あっさりしたすき焼きのような風味です。鴨肉も軟らかく、良い焼き加減でした。
甘エビのお造り
↑次は箸休めの「甘エビのお造り」。奥のエビにちょこんと載っているピンクのものが「塩辛」。手前のエビに載っているのが「わさび&梅肉」です。
醤油につけるのではなく、そのようにちょっと変わった味付けで食べる趣向。大人の味わいという感じで面白かったです。(ただ、皿手前にこんもりと盛られたエビの卵は全部は食べきれなかった……好きな人は好きだと思うのですが。)
炊き合わせ
↑次は「レンコン、舞茸、プチベールの炊き合わせ」。プチベールとは芽キャベツとケールを掛け合わせて作られた栄養豊富な野菜なのだそうです。
プチベールはシャキシャキとして、味わいはキャベツによく似ていました。散らされた柚子皮の香りが爽やかで、カツオ出汁でさっぱりと食べられました。
シャキシャキの蕎麦
↑次は盛り蕎麦。相変わらずシャキシャキで最高です!
きのこ蕎麦
↑次に……五千円コースとは別に頼んでいた「きのこ蕎麦」到着。一人前を、二つの器に分けて出してくださいました。
おかだ紅雪庭で、かけそばを食べるのは初めてです。冷たい蕎麦とはまた違う滑らかなのど越しで、食べ応えもあり、満足できました。もう、かなりお腹いっぱいです!!
デザート
↑最後に、五千円コースのデザート。
・「マンゴー羹(かん)」
・「桜餅」
・「プリン」
から選べるというので、「マンゴー羹」と「プリン」を頼み、二人で分け合って食べることに。こちらはマンゴー羹。マンゴーがたっぷり入っているのがわかるジューシーさで贅沢な美味しさでした!
↑こちらはプリン。甘じょっぱい「桜ソース」がかかっています。こちら、舌触りが豆腐のように滑らかで、コクがあって、本当に美味しかった。料理長の齊藤さんは密かに菓子職人としての腕も高いなと感じさせられました。
心がこもっていた
そんなこんなで、初の五千円コース(+きのこ蕎麦)。コースが全体的に「カツオ出汁+醤油」の味わいで、できればもう少し味に変化をつけてもらいたかったかな? ……という思いは残ったのですが、料理一つ一つは丁寧で心がこもっていて良かったです。
この訪問から間もなく、料理長の齊藤弘文さんはおかだ紅雪庭から東京の料理店(銀座一期)に移られました。
新料理長さんの五千円コースはまだ食べたことがないので、いずれ機会があったらぜひ食べてみたいです。
このお店は夜九時オーダーストップで閉店が九時半なのですが、九時を過ぎた頃から厨房の片付けが始まったのかかなりの騒音が聞こえ始めまして、食後の余韻に浸っていたのが「早く帰れ」と言われているようでちょっと焦った気持ちになりました。
案内された部屋の壁を一枚隔てた向こう側が厨房というのも音が聞こえすぎる原因だったとは思うのですが……。
今後は、もう少し早めに店に行くようにして、長居せず、今回のような思いをしないよう努めようと思います。