月経困難(月経痛、不調)の食養療法
月経困難(月経痛、不調)の原因
月経痛は、子宮が陣痛のように収縮することで起こります。ですからひどい月経痛というのは、凝集性のある陽性の、肉、魚、卵、チーズ、堅く焼き締めた小麦粉製品などの摂りすぎが主な原因になります。
同時に、拡散性のある極陰性の白砂糖、乳製品、果物、果汁、コーヒーなどを摂ると、縮まった子宮を無理に広げるような力がはたらき、さらに痛みがひどくなります。
寒い陰性の季節(秋、冬)にも痛みはひどくなりますので、体を冷やさない工夫が大切です。
月経の不調(不順)は、体内の陰陽バランスがどちらかに大きく崩れたときに起こります。特に、血液の質を弱める極陰性の白砂糖、熱帯性果物(バナナ、マンゴー、パパイヤ)、イチジク、乳製品(バター、牛乳、生クリーム、ヨーグルト)、冷たい飲み物、果汁、清涼飲料水、コーヒーなどの摂りすぎが良くないです。
月経困難(月経痛、不調)の食養療法
主食と副食
玄米ご飯を主食とします。黒米やキビ、アワなどの雑穀を混ぜて炊くのも良いです。
赤飯も良いですから、週に何度か食べましょう。玄米餅も体が温まりますから、朝、味噌汁に一切れ入れて食べたりすると良いですね。
小麦粉を堅く焼いたパンはなるべく避けます。パスタやうどんなどの麺類であれば週に一回から二回ほど食べても大丈夫です。
私の場合、玄米を主食に取り入れてから10ヶ月~一年半で、月経痛が軽くなる、月経周期がととのう、PMS(月経前症候群)がほとんどなくなるなどの変化を体験しました。(詳しくはマクロビオティックQ&A素朴な疑問編『体にはどんな良い変化があらわれるの?』参照)
味噌汁を毎日お椀に軽く1杯から2杯飲むようにしましょう。月経痛のひどい人は中庸の味つけ。月経不順で、陽性状態(周期短)の人はやや薄く、陰性状態(周期長)の人はやや濃いめに味つけてください。
野菜の中では、ゴボウ、ニンジン、大根などの根菜を多めに使います。カボチャもふんわりと体を温めてくれるのでおすすめ。その他、青菜(小松菜、大根の葉、ブロッコリーなど)、球形の野菜(キャベツ、玉ネギなど)も毎日組み合わせて食べましょう。
海藻も婦人科系の不調にはとても良いですから、昆布を味噌汁の具にしたり玄米に混ぜて炊いたりして積極的に食べましょう。他、月経不順の陽性状態の方にはワカメ、月経痛がひどかったり陰性状態の人にはひじきもおすすめです。(参考レシピ:ひじきとこんにゃくの炒め煮)
漬物やふりかけ(鉄火味噌、ごま塩)も症状解消に役立ちます。梅干しも血液の質を強化してくれるので毎日1/2粒~1粒、ご飯にのせるなどして食べましょう。
禁忌食(食べてはいけないもの)
その他アドバイス
たとえば無月経はとても陰性な状態ですが、マクロビオティックで治そうとしてもなかなかうまくいかなかったのに、ちょっと気になる男性ができた途端に治るなんてこともあります。(私の妹の例です。詳しくはマクロビオティックコラム『無月経を吹き飛ばす恋のパワー』参照)
精神に炎が宿ると、体もぐんと熱くなるらしいです。ですから、食べ物に気をつけるとともに、 何か好きなものを見つけて没頭する時間を持ったり、恋をしてみたりしてください。好きな歌を、大きな声で熱唱するなんていうのも良いと思います!
桜沢如一著『生命現象と環境』に、「塩鮭の頭と大豆とを煮ると、(略)まるでとかしたコーンビーフのようにおいしい。この(略)煮合わせで、私は何人、何千人、何万人の(略)子宮後屈や……いろいろな陰性過多症をお助けしたかわからない。(この煮合わせに酒粕を入れるといっそうおいしい)」(p.84)とあります。
つまり子宮後屈というのは婦人病の中でもかなり陰性で、食事療法として塩鮭(かなり陽性)が用いられることもあるのだと思います。ですから、マクロビオティックでは基本的に動物性のものは摂りませんが、子宮後屈の方は例外的に、薬として、上に挙げたような「塩鮭の頭と大豆の煮物」を週に一度ほど召し上がると良いかもしれません。
私自身まだこの料理は作ったことがありませんが、想像するに、大豆と塩鮭を同じ鍋でぐつぐつと煮込むだけでしょう。昆布を入れても美味しいかもしれませんね。機会があれば作ってみようと思います。