7号食。マクロビオティックの中でも最善とされる食事。内容は「全粒の穀物100%」とされるが、ごま塩、梅干し、たくあん程度ならつけても構わない。水分は2合(360cc)以内。一口百回以上、よく噛んで食べる。
療養食の意味合いが強く、健康な人があえてやる必要もない。
それなら、わざわざ「玄米ご飯とちょっとの副菜だけ!」なんてきつい制限をかけなくても、今の調子でやっていけばいいのではないか?
食事から動物性のものを抜き、砂糖や添加物を摂らないように気をつける。それで十分じゃないか?
……マクロビオティックを意識した食事を始めてから半年経った頃の私は、そんな風に、7号食という大きな壁の前で怖じ気づき、迂回して回ることばかり考えていた。
食事が「玄米ご飯+梅干し、たくあん」なんて、しかも一日にそれらしか食べられないなんて、あまりに過酷すぎてさすがに実行できないような気がしていた。
だが同時に、7号食を一度体験してみなくてはいけないという思いも強くなってきていた。マクロビオティックを本格的に学ぼうとする者がマクロビオティックの真髄たる「7号食」を経験せずして何を語れようか。
それに何より、7号食に対する好奇心もあった。『健康で幸福な人生を確立』したいとき、希望の境地に達しない場合、『まず(略)十日間やってみなさい』(*2)と桜沢氏が言う7号食。
7号食を実践したら、一体自分に何が起こるのだろう? 7号食をやって初めて見える何かがあるに違いない。よし、それならば、やってみよう。
それにしても本当にほぼ玄米ご飯だけ、なんて食事でやっていけるのだろうか?
『栄養が足りないのではないかと心配されるかもしれないが、万一そうだとしても、十日くらいでどうということはない。(ただ一つ注意すべきことは、純正食品を用いることである。)』(*3)
栄養が足りないとしても十日くらいならどうってことない。まあ確かにそう言われてみればそうだろう。でも十日もやり抜く自信がない。ひとまず三日を目標にしよう。いきなり十日というのは、私には無謀すぎる。何事も中庸、中庸。
というわけで、私の7号食への挑戦が始まった。以下に続いていく実践記は、私が7号食をやっている中で日記のように書き記していたものだ。
まず第一日目。マクロビオティックを始めて「主食の重要性」がわかったつもりでもどうしても「栄養はおかずで摂る」という感覚が身に付いていた私に衝撃が訪れる。
それまで頼りにしていた「おかず」が存在しない……。
目の前にぼくとつにたたずむ玄米ご飯。これだけで終わらせろと? そりゃないだろう……。でも、そうするしかない……。