2008年3月。マクロビオティック開始から11ヶ月。
↑玄米ご飯(梅干し、ごま)、ごぼう汁、納豆(長ねぎのせ)、わかめのおひたし(おろし生姜のせ)(2008.3.9)
人生において、わかりやすい形で逃げ回ってきたのが歯医者。歯の現実を知るのが怖いから、歯に関する情報はいつも見て見ぬふりをしてきた。
けれど、親知らずを抜歯するとなったらそうはいかない。虫歯治療でさえ恐怖でおののく私なのに、ましてや抜歯なんて! 魂が取られるのではないか!
2008年3月は本当に、毎日毎日歯のことを何時間もインターネットで調べていた。歯ノイローゼとも言える状態だった。
歯のことで頭がいっぱいなのだから、食べ物にかまっていられない。そんなときマクロビオティックによって編み出していた「おにぎり・ごぼう汁定食」は便利だった。
栄養やらバランスやら考えなくても、これさえ食べれば調子が良いという安心メニュー。おにぎりとごぼう汁以外の副食がついたりすることもあったが、私は基本、ずっとおにぎり・ごぼう汁定食で通した。
歯ぐきになかば埋もれた親知らずの抜歯。ついリアルに想像してしまい、全身の血の気が引いてゆく。
こんなときこそマクロビオティックだ! 私は、おにぎり・ごぼう汁定食がもたらしてくれる「中庸の精神と肉体」に希望をかけていた。抜歯の恐怖も、マクロビオティックで作り上げた丈夫な精神と体があれば乗り越えられるはずと本気で思っていた。
そんな風に思えるほど、その当時の私にとって、マクロビオティックは信頼に足るものになっていた。
体が明らかに、マクロビオティックを始める前より健康になっている感じがあった。
便通は良くなったしアトピーの湿疹も出にくくなったし生理痛が軽くなって周期もととのったし……。
抜歯に耐えるため中庸の心身を作り上げようという意識で気持ちが引き締まり、先月から続いていた「欲望大暴発」状態に歯止めがかかった。それでも、週に一度はスナック菓子を食べていたが……。
そして3月24日。ついに、私は一本目の親知らずを抜歯したのだった!
(「根性の流動食と噛めない苦しみ~マクロビオティック実践記9」に続く)