マクロビオティックコラム

親知らず抜歯後、根性の流動食と噛めない苦しみ~マクロビオティック実践記9

シェアする

2008年4月。マクロビオティック開始から一年。

左下の親知らずを、歯ぐきを切開して抜歯した私。左では当分噛めない。

だったら右で噛むのが普通だろうが、右下にも少しだけ頭を出した親知らずがあり、そこに物が詰まって歯ぐきが腫れるために、ここ十年以上右で噛めていない。

つまり、左でも右でも噛めないということで、流動食しか手がなくなった!

バーミックスで流動食に

マクロビオティック食事

玄米粥(梅干し、ごま)のペースト、ごぼう汁のペースト(2008.4.6)

長らく台所で眠っていたバーミックスという手持ちミキサーが毎日大活躍した。玄米粥とごぼう汁をドロドロの流動食にして口に流し込み、舌と上あごですりつぶすようにして飲み込んだ。

見た目のすごさに最初は食欲を失いかけたが、人とは慣れるもの。すべての味がミックスされたペーストを、「いただきます」と淡々と食べるようになった。

妹からは「よくそこまでしてごぼう汁を食べようとするよね……」と言われたが、私としてはいつもの食事をペースト状に変えたというだけの認識で、自然ななりゆきのように思っていた。

便通が悪くなる。豆腐が救い

ただ、噛めなくなったせいか、それまではスルッと出ていた便がコロコロになってしまった。やはり、噛みに噛んで、唾液とよく混ぜ合わせて食べるというのは大事なことなのだ。

マクロビオティック食事

寄せ豆腐(黒大豆使用)の冷や奴(2008.4.7)

噛めない私の応援団となってくれたのが豆腐。栄養豊富な上にツルンと飲み込めてありがたかった。

噛めないストレス

しかし、噛めないことによるストレスは大きいものだ。ケーキや大福を「白砂糖が入っているから避けよう」と我慢するのとはわけが違う。

食べたくても、噛めない。

これは、スナック菓子やジャンクフードを欲する気持ちを抑えるよりも、ずっと苦しいことだった。

ペースト状にしていない玄米ご飯を噛めた日々を懐かしく振り返った。噛めるだけでもなんてありがたかったのだろうと思った。

早く噛めるようになりたい……。

私は心の奥に、じりじりとした思いを募らせていった。

そして行き着いたのは、歯を使わなくても楽しめる美味しいものたちを見つけて、どうにかそのストレスを逃すということだった。

(「噛まなくても楽しめる美味しいものを探す~ジュース、カップ麺の代替食研究:マクロビオティック実践記10」に続く)


運営者紹介

マクロビオティック羅針盤」運営者の遠藤です。

当サイトでは、マクロビオティックを初歩からQ&A形式で解説しています

マクロビオティック的に最もお勧めしたい献立「おにぎり・ごぼう汁定食」について「栄養学からも検証済み! 失敗しないマクロビオティック献立は?」で解説しています。

他に、メインブログとして「健康探究ブログ」を運営していますのでよろしければ遊びにいらしてください。

北海道旭川市在住。お茶の水女子大学卒業。

サイト説明詳細・運営者プロフィールはこちら

関連記事

西洋医学とマクロビオティックの両立~親知らず抜歯後、抗生物質の飲み過ぎで弱った腎臓を小豆かぼちゃが治す

親知らず抜歯後、抗生物質と痛み止めの服用で腎臓に負担がかかり、尿が出なくなりました。それを、マクロビオティックの食箋料理である「小豆かぼちゃ」が治してくれました。そのときの体験から、西洋医学とマクロビオティックの両立というものを考えます。

砂糖がダメ? そんなの知らん~マクロビオティック実践記1

マクロビオティックを学んで一番驚いた「砂糖禁止」。けれど私は「別にいいよね? 美味しいし」と、無邪気に使用を続けていました。

7号食で初めて経験する苦しみ。マクロビオティック理論の勉強を続けることを決める~マクロビオティック実践記4

マクロビオティックを始めて七ヶ月。7号食実践で、猛獣のような肉体の欲望を精神でねじふせる経験をします。

欲望がぶり返して白砂糖摂取のせいか親知らずが虫歯になる。生理は復活~マクロビオティック実践記7

マクロビオティックを始めて10ヶ月。だいぶマクロビオティックも慣れてきた頃だろうという油断からフランス料理を食べ、欲望をぶり返させてしまいます。ついでに親知らずが虫歯になりました。

親知らず抜歯の恐怖で心ここにあらず~マクロビオティック実践記8

マクロビオティックを始めて11ヶ月。正しい食事で体調をととのえながらも、毎日親知らず抜歯の恐怖に震えていました。

抜歯後、噛まなくても楽しめる美味しいものを探す~炭酸ジュース、カップ麺のマクロビオティック的代替食研究:マクロビオティック実践記10

マクロビオティックを始めて一年一ヶ月。親知らずを抜歯して噛めなくなった私は、そのストレスを解放するべく、ジュースやカップ麺の代替となるものを探していました。

親知らず抜歯後、歯茎の回復で噛めるようになってきた~マクロビオティック実践記11

マクロビオティックを始めて一年二ヶ月。親知らずを抜歯して2ヶ月経ち、やっと固形物が食べられるようになってきました。

暴走、失敗、抜歯、暴走を経てスナック菓子からの離脱~マクロビオティック実践記12

マクロビオティックを始めて一年三ヶ月。ジュースの飲み過ぎ、スナック菓子の食べ過ぎで胃の調子がおかしくなりました。

月経周期28日で中庸状態達成、保とうとして混乱~マクロビオティック実践記15

マクロビオティックを始めて一年半。月経周期が、理想的と言われる28日になりました! しかし喜んでばかりもいられません。どうしたらこの良い状態を保てるのか、意識しすぎてガチガチになってしまったのです。

制限のないマクロビオティックにたどり着く~マクロビオティック実践記18

マクロビオティックを始めて一年九ヶ月。マクロビオティックの禁忌食を見ても心を動かされない自分になりました。

ランダム記事

怒りを手放す方法「寛容」について~許してやれと自分に語りかける。愛さないけど憎まない。

ある人から言われたささいなことを五年も根に持ってどうしても怒りを捨てきれずに苦しんでいたのですが、「寛容」を意識することで急に楽になりました。許してやれ、と、自分に語りかけるのがコツ。

にんじんりんごジュース飲み過ぎて失敗~後編~

にんじんりんごジュースを飲み過ぎて胃の調子がおかしくなった……失敗談の後編です。

パスタ(スパゲティ)食べ過ぎで激腹痛の失敗

パスタは胃もたれしやすいと自覚があったのに、油断して食べて胃を弱らせ、さらにたくさん食べるようなマネをしたので腹痛を起こしました。久々の失敗です。

初めての「生しぼりにんじんジュース」体験記~おろし金でおろしてガーゼで絞る

いくら有機にんじんジュースでも市販の缶ジュースでは意味がないと悟った私は、にんじんをすりおろしてガーゼで搾って汁を得るという原始的方法を取ることにしたのです。

7号食実践記~4日目:心身の変化

7号食実践、四日目の記録です。玄米が主でオカズが従であるという状態に十分慣れました。さて、心身にはどんな変化が?

マクロビオティックコラムカテゴリー別記事一覧
マクロビオティックを考える
マクロビオティックフリートーク
マクロビオティック失敗談・初めての体験記
マクロビオティック実践記
アトピー性皮膚炎との歩みシリーズ
7号食実践記シリーズ
マクロビオティックからの卒業
マクロビオティック卒業後コラム
心の健康
運営者ブログ新着記事