マクロビオティックコラム

否定的な言葉はやわらかな言い回しに変える

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断定的な否定形の言葉というのがある。「悪い」や「嫌い」などだ。

私はそれらの言葉を日常で使わないよう強く意識している。

「悪い」「嫌い」には、容赦のない断罪のムードが漂う。100が一番好きで、0がその逆だとすれば、間違いなく「0」という感じ。

きつい表現だ。言葉として口にしたときはもちろん、聞くだけでもなにか心が痛む。

だが生活していれば、気に入らない物や人というのは出てくるものであり、その気持ちを伝える必要が生じるときもある。

「悪い」や「嫌い」という言葉は使わないとすれば、どうすれば良いのか?

私は、肯定的な言葉を使って言い回しをやわらかくするようにしている。

たとえば、
・悪い→良くはない
・嫌い→好きではない

という風に。

「嫌い」と言ってしまえば「好きのメーターが0」という印象だが、「好きではない」という表現は「好きのメーターが100ではない」と言っているだけなので、ぐっと優しくやわらかい雰囲気になる。

「あまり肯定的な内容ではないことを言おうとしている」と思うときは、せめて言い回しだけでも肯定的にすると、自分の心に与えるダメージをかなり軽減できる。

他に工夫できる言葉としては、
・(食べ物が)まずい→あまり好みではない
・汚い→綺麗ではない
・下手→上手ではない
・苦手→得意ではない
などがある。

この心がけは、日常のどんなささいな場面にも生きてくる。

たとえば今日、私が母に実際に言った言葉を例にあげてみる。

治療痕が多い自分の歯を嘆いて、母に「幼児期からもっと歯の教育をつけてほしかった」と言ったところ、「母さんも知らなかったから」と返された後の言葉である。

「母さんも、歯に関する知識量が多くない親に育てられたんだね」

ポイントは、「知識量が多くない」という部分である。

「知識量が少ない」と言ってしまうと言葉が鋭利になり、相手(この場合は母の両親)を侮辱する意味合いが強くなってしまう。

だが「知識量が多くない」と言えば、「歯の博士ほどではない」という感じの、相手を責めない雰囲気が出てくる。

相手や自分の心を極力傷つけないながらも、肯定的な言い回しを使って無念さ・残念さを表現する

このやり方は、「悪口を言わない」という決意にも通じていくものである。


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