マクロビオティックの十段階…-3号食から7号食?
すぐには完璧になれない!
「マクロビオティックの理論も、どんな風に心身の状態が良くなるのかもだいたいわかった。魅力的だ。ぜひ実行したい。……けれど、今まで肉や乳製品を摂ってきたのに、急に玄米と野菜だけの食事になるなんて、なんだか食の楽しみが奪われるようだ……焼肉の味が忘れられない……」
なんてお思いの方もいらっしゃるかもしれません。私がそうでした。いくら正しいとわかっても、それまでの食生活、食習慣を変えるというのは抵抗があるものです。
けれどご安心ください。マクロビオティックには「健康から幸福への十段階の方法」というものが用意されています。
健康から幸福への十段階の方法
『マクロビオティックの指示(筆者注:「マクロビオティック基本ルール」参照)をよく注意して守るなら、「健康から幸福への十段階の方法(図表参照)のどれでも実行することができます。
(略)どの段階から始めてもよいのですが、あなたが希望する境地に達しないときは、より上の段階をやってみなさい。最上の7号食はもっとも容易で、簡単で、賢明な方法です。』
-健康から幸福への十段階の方法-
上の表をご覧いただけばわかるように、いきなり禅僧のような食事に切り替えなくても良いのです。もちろん、上の段階の食事にすぐ移行できるならその方が心身の浄化向上も早いわけですが、無理しなくても大丈夫です。
私自身は、1~2号食あたりからのスタートだったような気がします。「上の段階に急ごう」とはあまり考えていませんでした。それでも自然に少しずつ3号食、4号食の日が増えてゆき、現在は大体2号食から5号食あたりをうろうろしているような感じです。(たいていは3号食程度。食べ過ぎで胃が弱ったときは5号食)
母が喜んだ「-3号食」の存在
私の母も私同様アトピーで、基本的に肉や卵、乳製品はとりませんし、添加物も避けて食生活には気をつけています。
けれども、そんな風に食生活に気をつけている人でもびっくりしてしまうくらい厳しく見えるのがマクロビオティック。肉ダメ、砂糖ダメ、魚もとらない方が良い、そんな教えに母は抵抗を示しました。「そこまでしなきゃいけないの? 実行できない」と。
私も同じように感じていました。マクロビオティックって、言っていることはもっともだけど厳しすぎる。肉はわかるけれどなぜ魚まで制限がかかるの? 疑問と反発を覚え、真実は何なのか調べていくうちに知ったのがこの「-3号食から7号食」です。
-3号食でもマクロビオティックの食事として認められているのです。-3号食には動物性あり、果物やデザートもありで、制限なしの普通の食事と変わりません。
なんだ、それでいいんじゃないか。母も、-3号食の存在を知って大喜びでした。
失敗しながら上へのぼる
やましい物を食べたいときは、できるだけ我慢しながらも、最終的にはちょっとくらい食べてしまっても良いのです。そしたら、極端な場合は体調が崩れるので、「ああ、失敗した」と思い、反省し、けれどまた魔が差し……をくり返します。
初めは短い間隔で失敗しますが、少しずつ間が空いてきます。白砂糖の入った菓子を2日食べなかった、今度は3日食べなかった……という風に。そのうち、「1週間、肉も卵も食べなかったぞ」「2週間白砂糖をとらなかった」となってきます。
そこまで節制しなくても、-3号食でもいいから実行し続ければ、少しずつ向上していきます。
そうして徐々に体を中庸に中庸に整えていき、最終的には何を食べてもびくともしないような体にするのが目標です。
私もまだまだ道の途中です。長い道のり、気長にのぼってゆきましょう。
注意! 7号食は続けすぎない
「最上」と表現されている穀物100%の7号食ですが、7号食はある意味のショック療法と考えるべきで、長く続けない方が良いです。
「7号食実践記」に私自身の体験を記しましたが、玄米ご飯だけだとフラフラします。家にずっといてほとんど活動しない状況下でも、四日の実践が限度でした。
もちろん、7号食実践で得られることは多いです。私の場合、玄米に対する信頼感が生まれたり、白砂糖への欲求を断ち切れたりしました。そのような変化が起こればもう良いのです。ブレた軸を正すためのムチとして、一発強烈に肉体と精神を打ち据えたら、手早く終わらせましょう。
「最上」とは、「表の最も上にある」という意味だ。くらいに思っていた方が良いです。
玄米ご飯と、たっぷりと旬の野菜、海藻、豆を使ったおかず、汁物。そんな感じのバランスの良い食事で、日々は過ごしていきましょう。上の表で言えば、ちょうど中間ほどに位置する3号食あたりが最も継続が容易です。
次項:白砂糖の害
次の項目(なぜ白砂糖が好ましくないのか?)では、マクロビオティック最大とも言える禁忌「白砂糖」について見ていきます。