マクロビオティックをする目的は?

正しい(自然な)食物を摂ることで心身の健康を得、幸せになるため。精神性を高め、思い通りの人生を歩むため。

「自然に」生きることの大切さ

日々の暮らしの中で、ちょっとうまくいかないことがあったとき。ふと、「自然」に癒される瞬間がありませんか?

たとえば空を飛ぶ鳥やそのさえずり。道ばたに咲く名も知れぬ小さな花。街路樹。鉢植えの観葉植物。どんな小さな自然でも、触れると、心が和らぎます。

なぜ自然が私たちの心に優しく響いてくるのか? それは、私たちが自然から生まれた存在だからです。

宇宙から地球が生まれ、地球から大地が生まれ、大地が草木を育み、草木が私たちの血肉となっています。普段、あまり意識はしないけれど、私たちも自然の一部なのですよね。マクロビオティックは、そういうことを思い出させ、自然と一体になって生きる方法を教えてくれるものです。

自然と一体になるというのは、素晴らしく気持ちの良い状態です。不安も恐れもありません。病気にもならず、生命をまっとうできます。それが本来の、生物のあり方です。

では、どうしたら自然と一体になれるのか? 何も山奥で原始人のような生活をしなければいけないわけではありません。正しい食物を摂る。ただそれだけのことなのです。

マクロビオティックが「正しい食物」を教えてくれる

正しい食物とは? それは、宇宙が、宇宙を生んだ無限の存在が、私たち人間のために定めてくれた食物です。具体的に言えば穀物や野菜、豆、海藻です。植物が、人間の命をダイレクトに支えています。

自然の中で生きる野生の動物たちは、本能的に宇宙が自分たちに定めた「正しい食物」を知っており、それゆえ病気にもならず、死ぬまで健康に、精一杯命を燃やして生きることができています。

私たちも正しい食物を摂って宇宙の秩序に従えば、野生の動物たちのように、いきいきと健康に、幸せに生きてゆけるのです。情熱のあふれた、いつも楽しい、充実した人生を歩んでいけるのです。

私たちは自分の「食べたもの」でできています。食べたものそのものと言えるかもしれません。ゆえに、正しい食物を知り、食べるものをコントロールして体や心の調子を自分の望むようにととのえていく技術を身につけるのはとても大切なことです。

現代の日本には不自然な食があふれています。そんな中で「自然な食」を選んで食べることに、最初は困難を感じるかもしれません。けれどマクロビオティックが示してくれる方向へ、ふらつきながらも進んでゆけば、必ず心身が浄化向上します。

食べ物でコントロール?

食べ物で心身の状態をコントロールする。体の状態が食べ物で変わるのはなんとなくイメージできても、心まで変わるなんて、そんなことがはたして本当にできるのか、疑問を覚えるかもしれません。

しかしできてしまうのです。今、不安を感じて落ち込んだりする状況ですか? それともイライラして攻撃的な状況ですか? どちらも、心地よい状態ではありませんね。できれば穏やかな、落ち着いた、幸福感がじわじわと湧いてくるような心持ちでありたいですよね。

ならば、そのような穏やかな食品を食べれば良いのです。そうすれば心まで落ち着くのです。

穏やかな食品って何? そんなの、見分けがつかない。今はそう感じるかもしれません。けれど、本当は誰にだってわかることなのです。

肉やバターがふんだんに使われた料理のフルコースは、人間にたとえたらどんな感じだと思いますか? なんだかにぎやかで派手で、享楽的な感じがしませんか? 逆に日本の懐石料理はどうですか? いかにも落ち着いて、知的で、研ぎ澄まされた雰囲気ではありませんか?

食べ物の醸し出す雰囲気。それがそのまま、その食べ物の性質です。そこを利用して、本来あるべき自分の姿に戻れるよう、食べ物で心身をコントロールするのです。

どんな食べ物がどんな性質を持ち、何を食べれば幸せになるか。それをマクロビオティックは教えてくれます。これから一緒に学んでいきましょう。

次項:身土不二とは。

次の項目(マクロビオティックとは? その1「身土不二」)で、どういった食物を正しいと判断すれば良いのか説明していきます。