美味しい玄米の炊き方は?(玄米モードなしの炊飯器使用)
普通の炊飯器で炊ける
うちには圧力釜も玄米モードのついた炊飯器もありません。けれど、試行錯誤の末、今では普通の炊飯器でつやつやもちもちの美味しい玄米が炊けています!
↑有機黒米+アマランサス、もちきび、もちあわ入りの玄米ご飯です(国産有機栽培玄米使用)。一粒一粒が薄皮(ぬか層)に包まれていて、噛むたびにぷちぷちと食感が楽しい。そして、とってもみずみずしく、美味しいのです! 体も大満足。食べ慣れると、玄米ご飯から離れられなくなります。
(2008.8.25追記:本記事を書いてから7ヶ月後、圧力鍋(スーパー活力なべ(現:ゼロ活力なべ))を購入しました! 圧力鍋での玄米の炊き方はこちら!)
12~48時間吸水させる
玄米を炊くときの一番のポイントは、炊く前に一晩から二晩(12~48時間)水に浸けておくことです。ここが白米を炊くときとの一番の違いであり、玄米炊きの唯一最大の難所です(時間がかかるという意味で)。
12時間吸水させれば美味しく炊けますが、発芽玄米にしたいときは24時間~48時間吸水させると良いです。水は、6~12時間おきに入れ替えます。
あまり水につけっぱなしだと臭いも出やすく、芽が成長しすぎるので、吸水時間は48時間を限度にした方が良いと思います。
吸水させるときの室温と時間に注意
吸水は、初めは常温で行います。特に発芽玄米にしたい場合、発芽させるにはある程度の室温が必要になります。
ただ、夏場などで室温があまりに高い場合、水が劣化しやすく、常温で放置しすぎると鶏糞のような臭いがつくことがあります(食べても問題はありませんが、かなり食べにくいです)。
一度この臭いがつくといくら洗ってもとれませんので、水が臭くなる前に冷蔵庫に移す必要があります。
今まで試行錯誤を繰り返してきて、失敗しない吸水時間と室温の関係を割り出しましたので、参考になさってください。
水を取り替える間隔 | 常温で吸水させても良い(水が臭くならない)時間 | |
---|---|---|
夏場(最高気温25℃以上) | 6~8時間おき(冷蔵庫に入れてからは日に一度) | 12時間(それ以上吸水させる場合は冷蔵庫に入れる。) |
春、秋、冬(最高気温25℃未満) | 6~12時間おき(冷蔵庫に入れてからは日に一度) | 24~36時間(それ以上吸水させる場合は冷蔵庫に入れる。) |
成功した発芽玄米の例
↑48時間吸水させた後の玄米(左)とさせる前(右)の玄米です。吸水させたものは白濁し、ぴょんと発芽しています。
ただし、寒い時期は、48時間吸水させてもこんな風にわかりやすく発芽しないことが多いです。
やりすぎ発芽玄米の例
↑炊くタイミングを逃し、四日間(96時間)ほど常温で吸水させてしまった玄米です。「発芽」を通り越して、稲になりかかっています。ここまでなってしまうと食味が落ちますし、水も臭くなってしまうのでおすすめしません。
吸水後の様子
↑お釜に玄米3合を入れ、水を適量注いで常温で一晩おいた後の様子です。
吸水が終わった玄米からは写真のように泡が出て、酒のような匂いもしています。この水を最後に数回取り替えれば事前準備完了です(強く研ぐと芽が取れてしまうので、水を入れた釜の中を軽くかき混ぜるていどにしてください)。
雑穀類を入れる
↑水を取り替えてさっぱりした後の玄米にお好みの雑穀を入れます。雑穀なしでももちろん大丈夫ですが、入れると見た目も食感もより楽しくなりますし、栄養価もアップします。
うちでは有機黒米大さじ1、アマランサス、もちきび、もちあわをミックスしたものを大さじ3入れています。
玄米を美味しく食べるという観点で言えば、特にもち系の雑穀はおすすめです。薄皮に包まれているためどうしても白米よりしっとり感の出にくい玄米に、みずみずしくもちもちとした感触を加えてくれます。
酒、塩、昆布を入れる
最後に、美味しく炊きあげるための三種の神器酒大さじ1、自然塩ひとつまみ、昆布1~2枚を入れます。
酒を入れることでぬかくささが緩和され、塩で玄米の味が引き立ち、昆布で旨味が加わります。
すべて用意できないときも、最低限塩だけは入れるようにしてください。
(玄米を炊く際の塩については、『玄米にはカリウムが多く含まれていて、独特の苦みが少し出る場合があるため、塩に含まれるナトリウムで中和させると、より美味しく炊き上がる』(*1)とも言われています)
水加減はかなり多めに
↑最後に水加減ですが、玄米100%で炊く場合、かなり多めにして炊くと柔らかくて(上手に炊けた白米程度の硬さ)食べやすいです。上の写真では、黄色いラインが白米3合を炊くときの規定量(お釜に刻印されている線)です。実際に水が入っているのは赤いラインまで(ちょっと見えにくいですが)。具体的に言うと、うちの炊飯器(ナショナル製)の場合白米3合の規定量+250ccです。
ここまで来たら、あとはスイッチオン! で完了です! 炊きあがったら昆布を取り出し、さっくり混ぜてください。取り出した昆布は刻んで味噌汁の具にすると美味しいです。
昆布を細かく割り入れ、炊きあがったらご飯と一緒に混ぜて食べてしまうのも一案です。
ゴマと梅干しでぬかくささを取る!
さて、ようやく「いただきま~す!」なわけですが、玄米ご飯をそのまま食べると「ちょっとヌカくさい……」と感じる場合があるかもしれません。ぬか層がそのまま残っているので、ぬかの匂いが多少するのは玄米の避けがたい運命でもあります。
そこで登場する魔法のアイテムが炒りゴマです! 玄米ご飯に炒りゴマを振りかけて食べると、とっても香ばしくて、ぬかくささが不思議なほど感じられなくなりますよ。
マクロビオティックでもゴマは副食品として指定されている重要食品ですので「玄米ご飯に炒りごま」というのは名実ともに理に適っていることになります。
有機梅干しをのせると、シソの良い香りで玄米ご飯がさらに美味しく食べられますよ!
↑美味しく炊けた玄米ご飯を中心に、マクロビオティックな食事を楽しんでください!
次項:圧力鍋での玄米の炊き方は?
冒頭にも追記したように、2008年8月、圧力鍋(スーパー活力なべ(現:ゼロ活力なべ))を購入しました。次項では、「圧力鍋(スーパー活力なべ)での玄米の炊き方」を解説していきます。
↑ここ10年ほど、こちらのお店(京の米職人)から有機玄米を真空パックで購入しています。梱包に清潔感があり、購入時に分つき米も選べるのが良いです。