ダイエットには効果があるのか?

カロリー的には低いので、食べる量や時間帯に気をつけさえすればスリムになります。(ただしそれまで適正値よりもふくよかだった方の場合。)

ダイエット!

ダイエット

ダイエットが目的でマクロビオティックに興味を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。

結論から申せば、マクロビオティック的な食生活はダイエットに効果があります。

正確には、マクロビオティック的な食生活を送ると「その人にとって最適な体重・体格」になります。つまり、それまで最適な状態よりふくよかだった方はスリムになるし、逆にスリム過ぎた方は肉付きがしっかりとします。

マクロビオティックでは極陽、極陰を避けて「中庸」であることを目指しますので、体重も自然と「中庸」になってくるというわけです。体重(重さ)に関して言うなら「太りすぎ=極陽」、「痩せすぎ=極陰」ということになります。

(※陰陽の考え方について、詳しくはQ&A理論編「陰陽の考え方」参照。)

食べ方やライフスタイルも大事

ただし、適正な体格を得るためには、食べ物の内容だけをマクロビオティックにするだけではなく、食べ方やライフスタイルもマクロビオティックにしなければいけません。

・食べ過ぎない。(量の中庸)
・眠る時間に食べない。(時間の中庸)
・じっとしてばかり(陰性)いず、運動(陽性)を適度にする。(身体の中庸)

など、全体的に中庸になるよう生活していれば、自然に最適な体格・体重になってきます。

確かにカロリーは低い

「中庸とか、そんな難しいことは抜きにして、とにかく痩せたい。そのためにマクロビオティックっていいの?」という問いに対しては、「確かにカロリーは低いのでスリムになる確率は高いと思います」とお答えします。

玄米が主食で、旬の野菜や海藻、豆類が主菜。動物性食品や砂糖も避けるのですから、太りようがありません。

動機は何であれ、マクロビオティックに取り組んでみるのはとても良いことだと思います。ダイエットが目的でもまったくOKです。ぜひ挑戦してみてください。

肥満が過ぎる方へ

病的に肥満なさっている方が療法としてマクロビオティックを実践する場合、厳格さが必要になります。

肥胖病(脂肪症)の食箋として桜沢如一著『新食養療法』に紹介されている内容を抜粋します。

「野菜海藻類を塩からく植物性油(動物性油は悪い)を添えて料理した副食物を小食し、動物食を禁じる。飯を少くする必要はないが、副食物は出来る限りへらすことが必要だ。尚鳥獣肉、甘味類、酒類、馬鈴薯、甘藷(筆者注:さつまいも)等を禁じ、魚類もやめる。」(*1)

この桜沢氏の食箋を見ると、肥満の人は陰性過多(参考:『陰陽の考え方』)であるため、塩辛い(陽)海藻や野菜(中庸)を主食の玄米(最も中庸)をともに食べることで「陽寄りの中庸」(引き締まった体格)にととのえようとしている意図を感じます。

魚や肉を禁じているのは陽に偏りすぎてイライラしたり欲望に負けそうになるのを防ぐためでしょう。

甘味、酒、いも類を禁じているのは陰に偏りすぎればまた太るからです。筋肉(陽性)に比べ脂肪(陰性)が多い状態なので、これ以上脂肪を増やさないためにも、挙げられているような強い陰性の食品は絶対に断つ決意が必要です。(参考:『食物の陰陽判断』)

マクロビオティックで健康を樹立できた暁には、たまに甘味や芋、魚や肉だって食べて良いのです。健康体になるまでの辛抱と思い、頑張ってください。

一口50回以上噛むことは忘れないようにしてくださいね。

次項:途中でやめても良いか?

次の項(途中でやめたり肉を食べたりして良いのか?)では、マクロビオティック実践につきものの中途挫折について考えます。

(引用:*1桜沢如一著『新食養療法』p.172)