自分だけのマクロビオティックを究めた先にあるものは?
マクロビオティック探究の終わり
自分が自分の指導者である! 誰かの言ったことになど簡単には従わない! 私は、私の心と体が真実と認めたこと以外受け入れはしない!
高らかに宣言し、「自分だけのマクロビオティック」を追究する日々。
マクロビオティックの独学・実践は、厳しくもあり、この上もなく楽しくもあります。人の足跡をたどるのではなく、荒野に自分だけでルートをつけていくような喜びと達成感があります。
しかし、荒野と思っていたものは、「マクロビオティック」という土地の一部なのです。誰も歩いていないところを切り開いたとしても、「マクロビオティック」であることに変わりはない。
そんな現実に、いつか徒労感を覚える日が来るかもしれません。
いくら自分だけのマクロビオティックを見つけると息巻いたところで、結局はマクロビオティックという大枠からは抜け出すことができないではないかと。
私がそうだったのです。
そのことに気づいたとき、私は、それまで元気良くふるっていた鎌を手に立ちつくしました。何のために今まで必死に頑張ってきたのか、その意味を見失ったようにも感じました。
しかしその境地に達することこそが、次のステップへのスタート地点に立つために必要だったのです。
マクロビオティックを巣立つ
始まりがあれば終わりあり。「自分だけのマクロビオティック」を見つけようと決意したそのときから、終わりへのカウントダウンは始まっていました。
「心も体も健康になった。勉強しつくした。実践しつくした。これ以上、マクロビオティックに新しいものを見いだせない」。
それで良いのです。マクロビオティック探究の道は、終点を迎えたのです。
自分が自分の指導者となり、自分だけのマクロビオティックを見つけようと努力する独学実践者は、マクロビオティックをマスターするのが早いのです。
答えを誰かに依存できないため、マクロビオティックについて深く考え、理論を理解する必要がありました。
誰の指導も受けないため、常に実践は「体当たりの実験」となり、失敗しながら学んでいかねばなりませんでした。
そうして心身ともにくたくたになりながら自分なりの方法論を確立していく独立独歩のマクロビオティック実践者は、学ぶペースがとても早いのです。飛び級に飛び級を重ね、「マクロビオティック」という型を学びつくせば、やがて修了書を受け取る日が来ます。
卒業です。
自分だけの健康道へ
マクロビオティック道は終わりました。しかし道自体が途絶えてしまったわけではありません。ここから、自分だけの健康道が始まります。
でも、それってどうやって歩んでいけばいいの? マクロビオティックを一切捨てるということ?
そう不安に思われるかもしれませんが、自分だけの健康道とは、マクロビオティックをすべて自分の中から消去するということではありません。
今まで、独学のマクロビオティック実践によって勝ち得た「自分だけのマクロビオティック方法論」がありますね。その方法論を生かして食生活を送りながら、意識からはマクロビオティックをなくすのです。
「自分はもうマクロビオティック実践者ではない。マクロビオティックはやめた」と自分に宣言するのです。
より自由な境地へ
実際の食生活はマクロビオティック実践時に近いものになるでしょう。(健康道コラム「マクロビオティックを巣立った後の食生活」参照)
ですが、たとえ見た目は今までと変わらぬ健康的な食事でも、「マクロビオティック実践者ではない」という立場を取った途端、心象風景は激変します。
それまで食べ物を選ぶ際に少なからず影響を受けていたマクロビオティックのルール。これがなくなるのは大きいです。
マクロビオティックを手放して初めて、自分がいかに今までマクロビオティックに縛られていたかわかるでしょう。鉄球つきの鎖が足から切り離されたようにとても自由で、心もとなくなるぐらいフワフワした感覚を味わうと思います。
この自由は縛られていたからこそ得られるものです。マクロビオティックの核に自分自身を突っ込ませて、基本を学びきったからこそ、「自分だけの健康道」という究極の応用をきかせられるようになるのです。
マクロビオティック独学者の誉れ
マクロビオティックを学び始めたばかりの人。独学でマクロビオティックを力強く探究している最中の人。マクロビオティック道に入った人すべてが、いずれは自分だけの健康道へ進んでいくのだと私は思っています。
マクロビオティック実践者として、マクロビオティックをもうこれ以上追究するのは疲れた。そう感じるようになるのは、マクロビオティックに真剣に取り組んだ人間であれば自然なことです。
大きな誉れでもあります。もう、誰かに支えてもらわなくても、自分の足で歩いていけることを示しているからです。
「マクロビオティック独学の先には、自分だけの健康道がある」。
マクロビオティック実践はいつか終わっても、健康探究の日々は終わりません。向上心と希望を持って進んでいきましょう!
マクロビオティック卒業後、オリジナル健康法開発!
マクロビオティックにこだわりすぎて病気になった結果、私は2009年9月にマクロビオティックを卒業しました。そして「自分だけの健康道」に入り、自分の体と心に合った『玄米・ごぼう汁基本食健康法』を開発して今はそれを実践しています。
マクロビオティック独学の先に拓けた「自分だけの健康法」という境地は、素晴らしく自由で心地よいです。
皆さんが「自分だけの健康法」を見つけるためのヒントとして参考にしていただければ幸いです。