家族の同意を得られません
せっかくマクロビオティックを始めようと思ったのに
マクロビオティックを知り、実践してみたいと思っても、ご家族が良い顔をしない場合があるかもしれません。
たとえば、「玄米が口に合わない」「肉や魚がもっと食べたい」など。
食が健康に及ぼす影響をあまり考えずに育ち、好きなものを好きなだけ食べてきた人には、確かにマクロビオティック的な食事は物足りなく感じられるかもしれません。
好物を突然取り上げられたような怒りを感じる方もいるでしょう。
今まで良いと思って食べてきたものを、あるとき急に「ダメ」と言われるのは腹立たしいものです。自分が否定されたように感じ、悲しくもなるものです。
良さを訴え、お願いしてみる
そんなとき、すぐに受け入れてもらうのは難しいかもしれません。けれど、諦めて折れてはいけません。人は、納得さえできれば、抵抗を感じず実行に移せるものです。
少しずつでも、玄米や、マクロビオティック的な和食の良さを伝えましょう。マクロビオティックの理論を説いた本を読んでもらうのも良いかもしれません(『久司道夫のマクロビオティック入門編』が、栄養学的な解説もあってわかりやすいです)。
それと同時に、皆に健康で楽しく暮らしてほしいこと、マクロビオティックの食事でそれが実現できること、ぜひ試してみたいということを伝えましょう。
「米の炭水化物を代謝するのに必要なビタミンB1が、玄米には元々入っているんだよ」
「植物性のものだけでも栄養は足りるんだよ! たんぱく質は豆や穀物から摂れるし、カルシウムは昆布や小松菜で摂ればいいんだよ」
「食べ物で病気が治るならお得じゃない? ちょっと、一ヶ月でもいいから試してみたいんだけどな」などなど。
地道に基礎固めをしてゆるやかな変化を待つ
家族が求めれば、肉や魚のおかずも出せば良いと思います(その際、なるべく安全なエサで育てられたものを選びましょう)。いきなり玄米ご飯が難しいのなら、胚芽米や雑穀を混ぜたり、そんなところからスタートするのも良いと思います。
でもその裏で、調味料を良いものに変えたり、食材を国産、無農薬、無添加のものに切り替えたり、地道に基礎固めをしましょう。
そうしているうちに、自然とご家族の陰陽バランスもととのってきて、良いものを求める体になってくるはずです。きっと、体調に良い変化も現れるでしょう。
その頃になれば、「マクロビオティックってけっこういいものかもしれない」と感じるようになっているはずです。
焦らず、しかし少しずつじわじわと。雨だれ石をうがつです。一年計画くらいでいきましょう。あなたの情熱はきっとご家族に伝わります。
最終的には家族の和を大事に
ただ、そのように地道に努力してみても、最終的にどうしてもご家族がマクロビオティック的な食事に抵抗を示すこともあると思います。
そういうとき、ケンカしてまでマクロビオティック実践をしようとするのは得策とは言えません。
ご家族の好みとマクロビオティックの内容が重なる妥協点を探して、皆が納得できる食のスタイルを作り上げましょう。
「できる範囲で、なるべく健康的な食生活にする」。そう心がけるだけでも食事内容は改善され、健康も上向くものです。
完璧を求めず、無理のない方法で、健康を目指していきましょう。
次項:体重が落ちすぎてしまったという方へ
次項『体重が落ちすぎてしまいました』では、マクロビオティックで体重が病的に落ちてしまった方へのアドバイスをしたいと思います。