料理が苦手、どうしても面倒なのですが。
料理が苦手!
マクロビオティック料理のレシピ本には、手の込んだ、見た目も美しい料理がたくさん載っています。
「美味しそうだな、食べてみたいな」と思っても、「あ~、でも……手順も複雑だし、作るのは面倒くさーい!」と、レシピ本を投げ出してしまう方もいらっしゃるかもしれません。
実は私がそうなのです。
私は元々、あまり料理が好きではありません。作ろうと思えば作れるけれど、なんせ面倒なのです。
まず、野菜を洗うのが面倒。切るのも、固くて力がいるから好きじゃない。洗い物は出るし、時間はかかるし……。
大学時代などは、「植物はいいな、光合成できて。私も太陽の光を浴びて栄養を自分で作れるんだったら良かったのに~」などとなかば本気で思っていました。
そんな人間にはマクロビオティック実行は無理なのか? さまざまな工夫をこらして立派な料理を作る意欲がなければマクロビオティックはできないのか?
いいえ! そんなことがあるはずはありません!!
食材さえ良いものであれば(*)、それでいいじゃありませんか。見た目の美しさや味つけなど何だって良いではありませんか。毎日同じメニューだって良いのです。
現に、我が家ではもう半年も毎日同じメニューです。
推奨手抜きメニュー:その1・具だくさん味噌汁
↑これが、うちで半年も続いている定番メニューです。玄米ご飯+ショウガ入り具だくさん味噌汁(通称ゴボウ汁)。副食として、梅干し、煎りゴマ、べったら漬け。
半年も続いて飽きないのかって? それは現在東京に住んでいる妹にも聞かれることですが、まったく飽きないのです!
美味しいのです。間食としてそうめんをゆでたりとうきびを食べることもありますが、ちゃんとしたごはんとしてはほぼこれしか食べていません。今後も基本的にはこれでいく予定です。
使う野菜の種類が多いのでそれを洗ったり切ったりするのが唯一面倒ですが、切りさえすればあとは鍋にすべて放り込んでゴマ油で炒めてからダシ汁を入れて煮て、野菜が柔らかくなったら味噌で味つけをしてできあがり。
ちなみにダシ汁は、余裕のあるときは昆布と干し椎茸でとりますが、大変なので大抵は水に顆粒昆布だしを入れて作っています。(具として昆布は入れます。)
豚汁風の風味を出すため、ショウガのみじん切りを必ず入れ、ゴマ油で炒めてから煮るという工程を経ます。純粋に「味噌汁」というのであれば、鍋に野菜を入れたらいきなりダシ汁をいれて煮て、味噌を溶けば完成ですね。
使う道具は鍋一つ。食器は茶碗とお椀だけ。野菜を洗い始めてから、煮込むために鍋のフタを閉じるまで30分です。洗い物も少ないし、美味しくてたっぷりの野菜が食べられるメニューのわりに簡単にできるし、おすすめです。
推奨手抜きメニュー:その2・おひたし
もう、味つけとか、工程とか、少しでも煩雑なのはイヤなんだー! という場合におすすめなのがおひたしです。
小松菜や大根の葉をゆでて、冷水にさらしてから絞り、一口大に切って器に盛る。醤油をかけてできあがりです。
このとき、国産安全素材&長期熟成の有機醤油を使うと、本当に美味しいですよ。
↑玄米粥に、おかずがおひたしだけ! こんな日もあります。問題ありません。
おひたし応用編
おひたしの応用編として、こんなメニューはいかがでしょう。おひたしの海苔とろろがけ。
おひたしに、山芋のすりおろしをかけて、海苔をのせ、めんつゆやかけポンで味つけます。とろろのするするっとした食感のおかげで、喉越し良く、小洒落た一品風に食べられますよ。
おひたし応用編・その2
おひたし応用編その2です。おひたしの納豆べったら漬けあえ。
小松菜のおひたしに、めんつゆをかけてかき混ぜておいた納豆を加え、べったら漬けも入れて全体を混ぜ合わせます。
これが、なかなか良いおかずになるのです! おひたしも納豆も漬物もすべて美味しいですから、合体させても間違いないんですね。一皿ですませば洗い物も少なくすむし、いいですよ。
推奨手抜きメニュー:その3・おにぎり
おにぎりというのも良い手です。写真は鉄火味噌おにぎり。具として、梅干し、鉄火味噌、すり胡麻を入れてあります。
炊いた玄米ご飯をラップにくるんで冷凍しておけば、レンジで解凍して、中にちょいちょいっと具を入れて握るだけ。火を一切使わずすみます。器も汚れません。
こんな、「おにぎりだけ!」なんて日がたまにあっても良いのではないでしょうか?
推奨手抜きメニュー:その4・玄米餅
簡単ということでしたら玄米餅もいいですよ!
写真は「からみもち(レシピはこちら)」です。焼いた玄米餅に、納豆と大根おろしをあえたものをのせ、上から醤油をかけて食べます。
餅はオーブントースターで5分ほど焼くだけで簡単にできますし、納豆も大根おろしも火を使わないで済むので楽ですよね。それに、さっぱりしていてとても美味しいのです。
玄米餅だと立派な主食の代わりにもなりますから、玄米を炊くのが面倒なときにも使えます。
体裁気にせず、好きなように。
料理というのは本当に人それぞれ、ポリシーや好みの違いがあるものです。見た目にも美しい料理を繊細に何品も作るのも素敵ですし、「体に良いものを食べられればそれでいいじゃないか」というざっくりとした価値観でおおらかに作るのも素晴らしいと思うんですよね。
料理に苦手意識があると、どうもコソコソして、自分が作っているどかーんとした料理を披露できなくなってしまうものですが(私がそうなので……)、今回公開したようなどかーんとした料理ってそれはそれで個性だし面白いと思います。
実は、このページで紹介しているおひたしの写真などは、あまりにどうしようもない気がして公開を躊躇していたものでした。けれど、「おひたしに納豆と漬物を混ぜる」とか、そういう適当さが、なんだか笑えてきたんですよね。
適当すぎて笑える。そんなマクロビオティックも楽しいですよね。
作るのが面倒だという意識をマイナスにとらえず、じゃあ簡単に作ればいいじゃないかと気持ちを切り替えて、堂々とマクロビオティックを楽しんでいただきたいと思います。
次項:好転反応?
次の項(「好転反応というものはあるのか?」)では、それまで食への意識が高くなかった人が急に玄米中心の食事に切り替えると発生するとかしないとか言われている「好転反応」について私の経験を述べます。