2009年2月。マクロビオティック開始から一年十ヶ月。
一年前であれば、肉や砂糖入りのお菓子などを食べると、猛烈に欲望がぶり返してきていた。
なんとか静まらせていた欲望が目を覚まして牙をむいたとき、それを再び眠らせるのは本当に大変だ。
だから、欲望を刺激しないように、マクロビオティックのいわゆる禁忌食はかなり「避ける」という方向でずっと努力していた。
たまに欲望に負けて間食で暴走することはあったが、そういうときは内心、苦しんでいた。ああ、食べちゃいけないのに、どうしても食べたい、止まらない……と。
だが現在は、そのような節制と葛藤の日々が功を奏し、すっかり欲望がおとなしくなった。
昔は猛獣のようだったのに、今は一日中眠っている老犬のようだ。
だから、安心して実験ができるようになった。やみくもに避けてきた肉やチーズ、乳製品、アルコール、砂糖といったものが、私の体にどのような影響をもたらすのか。
もちろん、私は食物アレルギー持ちであるし、好きこのんで体に良くないものを食べたくはないから、食べる必要がないときはあえて食べたりしない。
だが、目の前にそれらのものが置かれたとき、目をそらすのではなく、この機会に実験してみようと手を出すようになった。
結果、やはり「体に合わない」とはっきりわかり、その食品が自分にとって不要なものになったことを改めて確認するのだ。
この実験は、「美味しかった」という記憶とともにわずかに残っている、禁忌食に対する自分の中の未練や執着を断ち切る効果がある。
久しぶりに口にしてみて、確かに味は昔と変わらないけれど、もはや以前のような興奮は感じないことを悟り、「ああ、こんなものだったか」と冷静に見切りをつけることができるのだ。
普段の食生活においては、さらなる向上を目指して工夫を続けている。
以前は精白強力粉だけを使って焼いていたパンも、現在は全粒粉を半分混ぜている。
↑全粒粉ぶどうパン(全粒粉:強力粉=1:1)(2009.2.3)
↑おにぎり・ごぼう汁定食(2009.2.4)
食事の基本は今でも「玄米おにぎりと味噌汁(ごぼう汁)」。間食でどんなに暴走しても、この基本だけはかたくなに守ってきたことで、私は「自由なマクロビオティック」のスタートラインに立てた。
さあ、ここからが本番だ。これから一体、マクロビオティックは私にどんな境地を見せてくれるだろう? とても楽しみだ。
油断せずに勉強を続け、ときに失敗したならそこから教訓を見つけ、私なりのマクロビオティック街道を意気揚々と歩いていきたい!
以上、マクロビオティック開始直後のよちよち歩き期から試行錯誤を重ねて自由を手に入れるまでの一年十ヶ月の道のりを振り返った。
迷走を続けた日々には目まぐるしくマクロビオティック的変化を遂げていた心身も、現在は一定の状態を保ち落ち着いている。
猛烈な勢いでマクロビオティックにつかみかかっていった毎日は、宝物のように、いつまでも私の中で輝き続けるだろう。
この4月で、マクロビオティックを始めてから二年になる。食に関し、ずいぶんと知恵がつき、賢くなったと感じる。「生きる力」がついたと言おうか。私の人生にマクロビオティックが伴走してくれるのは、とても心強い!
褪せることない叡智を与えてくれたマクロビオティックに、心から感謝!
そして最後にどうしても言いたい。桜沢さん、ありがとう。
(追記:その後、2009年9月(マクロビオティック開始から二年五ヶ月後)、私はマクロビオティックを卒業し自分だけの健康道に進むことになりました。
詳しくは「マクロビオティックという学舎を卒業するとき」他、「マクロビオティックからの卒業カテゴリー」参照)