読者さまから、「マクロビオティックのことを周囲の人に話したところ「それってただの偏食やん」と言われてしまった」……というメールをいただいた。
偏食! そんな見方もあるのか、そんな風に考える人もいるのかと、驚きを通り越して笑ってしまった。
確かに、何も知らない人がマクロビオティック実践者の食卓を見たとき、玄米ご飯と野菜に固執しているように見えてもおかしくない。
動物性食品を忌み嫌い、「そんなモノは食べたくないのっ!」と、出されたステーキの皿からツンと顔をそむけるようなイメージなのかもしれない。
だが、マクロビオティックというのは偏食とは違う。「嫌いだから食べない」のではないのだ。
「食べられるけれど、特に食べたいとも思わないし、食べなくても健康でいられるから食べない」のだ。
それに、栄養面も万全なのだ。「栄養学からも検証済み! 失敗しないマクロビオティック献立は?」を見ていただければわかるように、マクロビオティックの食事は現代の栄養学の観点から見ても十分合格点を与えられるものだ。
特に、PFCバランス(「たんぱく質(Protein)、脂質(Fat)、炭水化物(Carbohydrate)」の、食事総カロリーにおける比率)が100%というのは奇跡的で、まったく、マクロビオティック理論の底力を実感せざるを得ない。
マクロビオティックの原則に沿って作った献立でたたき出した数値を、「白米を主食として、肉・魚をメインのおかずにした食事」で出すのは簡単ではない。すぐにたんぱく質や脂質過剰になったり、食物繊維不足になったりするのだ。
滋養のあるもので体を養い、なおかつ食べられないものなどないマクロビオティック実践者に対して「偏食」という言葉は当てはまらない。
とは言え、「マクロビオティックは偏食」と思っている人に対し、そうではないと反論しても受け入れてはくれないだろう。
だから、偏食と思っている人に対しては、そのままでいてもらって良いのだ。誰にどう思われようと、自分はマクロビオティックの素晴らしさを知っているし、そのおかげで健康を維持できている。
人は、「自分にとっての真実」を抱きしめてしか生きられない。だから、偏食とのそしりを受けようとも、鼻歌混じりでマクロビオティック道を邁進するのみ。
やがて、不思議に思われる日も来るかもしれない。「あの人、偏食なのに、やけに楽しそうで健康だな」と。
近寄ってきて、「その秘密を教えて」と言われれば教えるし。怪しいものを見る目つきで睨まれたままならそれでもいいし。
とにかく私は、マクロビオティックに出会えたことを人生最大級の幸運だと思っていて、毎日感謝が尽きない。嬉しくてたまらないから、人にどんな風に思われようが気にならない。
もう、何とでも言って! らら~♪……ってなものである。