マクロビオティックコラム

7号食はマクロビオティックの象徴

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7号食とは、創始者の桜沢如一氏が提唱した「健康と幸福への十段階の方法」のうち最上とされるもので、穀物100%の食事のこと。

つまり、「玄米ご飯だけ」という、粗食を極めたようなもののことだ。

現実的には、そこに梅干しや胡麻、たくあんなどを少量添えることが多い。だが、おかずを極限まで減らした形態であることに変わりはない。

7号食への警戒

7号食

この7号食というのが、昔、一部のマクロビオティック実践者を翻弄したと聞く。本当に7号食だけで生きていこうとして、体調を崩したというのだ。

初期の頃、アメリカでもそんな人が多発して大変だったと久司道夫氏が著作の中で書いておられた。

そういう経緯もあるのだろう、現在では、「7号食」というのは桜沢如一氏の著作の中でしか見かけない、古めかしいキーワードとなっている感がある。

「7号食は最上」という桜沢氏の言葉を真に受けて、玄米ご飯だけで食事を終わらせることに固執する人が出ないよう、ピリピリしている空気も感じる。

私も、7号食に対しては、その効果は認めながらも長期の実践はしない方が良いという見解を示してきた。

7号食実践を四日間体験し、玄米ご飯だけではフラフラになるということを実感したからだ。

マクロビオティックのすべてが7号食にある

だが、今、新たな思いが生まれている。なぜ桜沢氏は7号食を「もっとも容易で、簡単で、賢明な方法」(*1)と評したのか。「まず7号食からやってみよ」と勧めるのか。

それは、7号食には、マクロビオティック実践の中で感じる苦しみや喜びのすべてが詰まっているからだ。

マクロビオティックで何が一番苦しいかと言ったら、それまでは好きで食べていた動物性食品や砂糖をやめることだろう。

食べたい、食べたいと思うのを必死でこらえ、我慢する辛さは、「何の修行なのか」と、そんなことをしている自分をおかしく感じてしまうくらい耐えがたい。

マクロビオティックを実践して得られる一番の喜びは、その欲望を説き伏せ、禁忌食への執着から解き放たれることだ。

何の執着もなければ、もはや、我慢など一切いらない。我慢する必要もなくなるのだ。最初からいらないのだから。

この苦しみと喜びを、7号食実践では感じることができる。

制限が喜びを呼ぶ

玄米ご飯しか食べられないのだから、制限はマクロビオティックの中でも最大級。味噌汁すら、野菜の煮付けすら、食べられない。

この究極の食制限には、マクロビオティックの苦しみが詰まっている。

そしてその制限は喜びも呼ぶ。7号食によってきつく縛り上げられた欲望は、数日もしないうちにおとなしくなり、白砂糖や肉を欲しないまでにしぼむ。

それまで我慢するのが大変だった食物を、食べなくても平気でいられるようになるのは喜びだ。

この、欲望を制圧する力は、私が経験する限りでは7号食が最高だ。

このように、7号食にはマクロビオティックのすべてが凝縮されている。

7号食を実践することで、人は、マクロビオティックとはどのようなものなのかを理解するだろう。

長期間の実践には、栄養の面などから言っても、確かに不向きではある。だが、7号食には価値がある。7号食をやればマクロビオティックのすべてを感じることができると言っても良い。

もっとも容易で、簡単で、賢明。まさにその通り。シンプルでいて、至高の理論と方法論が含まれている。

7号食は、マクロビオティックの象徴である。


*1桜沢如一著『ゼン・マクロビオティック』p.68
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北海道旭川市在住。お茶の水女子大学卒業。

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