大根の葉というものは、スーパーでは短く切られてしまっていることが多い。
自然食品店などでたまに葉っぱまでフサフサついた大根を買うことがあるが、大根の葉というのはとても傷みやすい。根の白い部分はピンシャンしているのに、葉だけすぐ黄色くしおれていく。
同じ葉物でも小松菜などは冷蔵庫に入れておけば一週間くらいはいきいきとした緑を保っているのに、大根の葉はどうしてこうもしおれやすいのか。
もったいないが、すぐに枯れて見た目が保てなくなることを考えれば、スーパーでは切られてしまうのも無理はないと思える。
だが、大根の葉はカルシウムにも富み、栄養満点。あんな短い茎部分だけじゃなく、葉っぱまで調理したい。何か良い方法はないか……。
と考えていたところ、大根のヘタの使い方が紹介されたページを発見。
『水をはった小皿にとり、日に1度ヘタを水洗いしてあげると葉っぱが育つ』という。
なるほど、水耕栽培か。物は試しだ、やってみよう。
失敗してもいいや、という軽い気持ちで試してみたら、大根葉は予想以上の成長を見せた。
なんと、茎が伸び、葉がついたのだ! 観葉植物のようで、ちょっとした台所のオブジェにもなる。
大事に育てていたのだが、ついに使ってみる日が来た。
↑こんにゃく納豆チャーハンの上に、葉っぱをちぎって飾ってみたのだ。
なんとも、可愛らしい葉ではないか? ハーブのようだ。新しく伸びた葉の部分には農薬もかかっていないから、軽く水洗いすればそのまま生で食べられる。
柔らかく、新鮮で、ピリッと貝割れ大根の味がした。
種や苗を買って育てなければいけないとなると億劫で手が出ないが、ただヘタを水に浸しておくだけだから簡単。
ちょっと飾れば料理の見た目も良くなるし、栄養価が高くて美味しいのだから良いこと尽くめ。
これから大根を買ったら、すかさず葉を水耕栽培しようと心に決めたのだった。
(そのうち台所が大根葉のオブジェだらけになったりして……)