マクロビオティックでは、基本的に動物性のものは食べない方が良いとされる。極陽性なので心身のバランスを崩しやすいからだ。
マクロビオティックの実践を続けていれば自然とそのようなものへの欲求がなくなり、食べなくてもまったく平気でいられるようにはなる。
だが、だからといって「自分はこれから一生、まったく動物性のものを食べずに終える」なんて断言もできまい。マクロビオティックとは本来、「何でも食べられる丈夫な体を作る」ためのもの。健康を得られれば、たまには肉や卵、乳製品だって食べる機会もあろう。
その時のために、動物性食品の選び方を会得しておくのは大切なことだ。
まず気をつけたいのは、その動物の生育歴。どんな場所で、どんなエサを食べて育ったのか。
野菜がなるべく無農薬のものが良いように、動物もできるだけ自然な環境で安全なエサを与えられて育てられたものが良い。
スーパーで買うのなら、はっきりと「抗生物質は投与していません」と書かれたものを選ぶ。卵であれば、「平飼い」(放し飼い)の「有精卵」が良い。
そういうものは概して値が張るが、不健康に育てられたものとは体に与える影響がまったく違うので、けちっている場合ではない。
私は肉、卵、牛乳の食物アレルギー持ちであるから、なおさら、質の違いによる害の出方の差を知っている。
たとえばチーズ。
旅先で、たまにはいいかとおつまみのチーズ鱈を食べた。量で言えば一袋の半分程度だ。そうしたら翌日、肘の内側にアトピー性皮膚炎の湿疹が出た。
同じチーズでも、広々とした牧草地で安全なエサを食べて育った牛の乳から作られたものは、ピザの上にたっぷりかかっているのを食べても湿疹が出なかった。(体がチーズ臭くはなるが……)
この差はなんだろう? 元となる牛の健康度の違いが影響を及ぼしていることは明らかだ。チーズにする過程での添加物の有無も関係しているかもしれない。
とかく、動物性食品というのは、植物性食品より毒が濃縮されがちだ。だからこそ、食べるときには植物性食品を選ぶとき以上に慎重にならなければいけない。
同時に、慎重に良いものを選んで食べさえすれば、たとえ動物性食品であろうともそう恐れることはなく、害も最小限に抑えられるということを知っておくと良い。
そうすれば、マクロビオティック生活が、よりストレスのない自由なものになるだろう。
(北海道「興農ファーム」の牛肉・豚肉は無投薬で育てられた安全なものなのでおすすめする。↓)