三年ぶりに皮膚科に行って塗り薬をもらってきた。
前回もらった薬はまだ十分に残っていたが、三年も経ったものを使い続けるわけにもいかない。
私が処方されているのは、「ヒルドイド」という保湿薬と「ボアラ軟膏」というステロイド剤の混合薬。つまり、「弱いステロイド剤」だ。
弱いとは言え、ステロイドはステロイド。ステロイド剤というのはその副作用(副腎機能の低下、皮膚が薄くなるなど)が取りざたされることもあり、「できるだけ使いたくない」というのが素直な気持ちではある。
だからこそ長年、除去食で湿疹を出にくくし、マクロビオティックでさらに体質を強化してきた。おかげで私のアトピー性皮膚炎もかなり良くなった。
だが、アトピーの出やすい乾燥肌であることに変わりはなく、いくら食事に気をつけていても、やはり乾燥する季節には首の後ろや腰に湿疹が出やすくなる。
カサカサしているくらいなら椿油を塗ってしのぐこともある。だが、乾燥がかゆみにつながって、知らず知らずに掻いてしまい湿疹になってしまうと、椿油では治せない。マクロビオティックでも、皮膚の掻き壊しをすぐに修復することはできない。
そんなときは、潔くステロイド剤を使うのだ。薄く塗るだけで、湿疹が一気にすべすべになる。そして、再発しにくい体にするために、マクロビオティックの食生活で内部からととのえていく。
マクロビオティックを続けながら、湿疹が出ればステロイドを塗る。そんな、東洋医学と西洋医学をうまく混ぜ合わせたやり方が、もっともストレスなく効果も高いのではないかと思っている。
これはアトピーに限らず、どんな病気にでも言えることだ。マクロビオティックには根底から体を変える力があるが、治す速度がゆっくりだ。あまりにひどい病変にはその効果が間に合わないことがある。そういうときは無理せず西洋医学にもお世話になったら良いと思うのだ。
マクロビオティックには副作用がないから、もちろん基本はマクロビオティックに置いた方が安心だし安全だ。だが、いざとなったら西洋医学も拒否しないという柔軟さを持っていることも、病とうまくやっていくには重要になってくると思う。
私のアトピーは確実に良くなってきている。湿疹の出る箇所は少なくなり、薬を使う量も減ってきている。これもマクロビオティックのおかげだ。この調子で気長にアトピー性皮膚炎とつき合い、近い将来、椿油だけで保湿をすませられるようになれたらいいなと思う。
(「マクロビオティックが消してくれたアトピーの悲しみ」に続く)