鼻水が出る、くしゃみが止まらない、ぼーっとする、だるい。
これらはみな、「陰性過剰」の症状。『なぜ白砂糖が好ましくないのか?』でも書いた通り、「極陰=白砂糖」を摂りすぎたときに実際に私の体に出てきた症状でもある。
摂りすぎると陰性過剰状態になってしまう食べ物として代表的なのは、上に挙げた白砂糖の他、清涼飲料水、牛乳、熱帯産の果物、果汁、アルコール、添加物、コーヒー、スパイス類、薬剤、農薬など。
外的要因としては寒さや運動不足。
だが最近、体を極陰性に傾けるもう一つの要因があることに気づいた。
「食べ過ぎ」だ。
私は、1月に入ってからずっと、くしゃみが頻繁に出て鼻水もズルズルするような状態が続いていた。ティッシュでゴミ箱がすぐにいっぱいになるし、鼻はすりむけて痛くなってくるし、「寒いせいかなあ」と暖房の温度を上げたりしながら難儀していた。
それがある日、起きても鼻がむずむずしない。あれ、今日はくしゃみが出ないなと、くしゃみの連発に慣れていた私は不思議に思い、前日の自分を振り返った。
思い当たったのは、食べた量が適度で、就寝の5~6時間前から一切何も食べなかったこと。
それまでは、正月の浮かれ気分が続いて、気がゆるみ、食事をお腹一杯に食べたあとも何やかやとつまんでいたのだ。寝るときはぺったんこであるべきお腹が、食べ物で膨らんでいる。そんな状態で布団に入っていた。
夜遅くに大量に食べて苦しんだことが以前にあり、それから気を付けてはいたのだが、「翌日苦しまない程度に食べ過ぎる」ことはしていたように思う。
もしかして、それがくしゃみの原因か?
確かめるべく、私は、せっかく調子が良くなったのに、わざと夜の9時過ぎまで食べることをしてみた。
果たして、翌日、またくしゃみ連発鼻水ズルズル状態に戻ってしまった。
その実験を何度か繰り返して確信を得た。
食べ過ぎると、体が極陰性に傾き、風邪っぽい症状が出てくる。食べ過ぎると風邪をひくのだ。
内臓に負担がかかり、抵抗力が落ちるというのがあるのだろう。季節が冬で、陰性具合に追い打ちがかかっているというのも原因だと思う。
これを防ぐのは簡単。食事を、よく噛んで腹八分目に摂り、夜も遅くなってくれば間食せず、空腹で眠るのだ。
だが! 言うとやるとでは大違い。私は、マクロビオティックにおいてどんな食制限よりもっとも実行が難しいと思っているのが「夜遅くに食べない」ことなので、「夜になったら間食しない」というのはなかなか厳しい。
けれど、起きぬけにくしゃみが止まらず鼻水をえんえんとかみ続けるのも嫌だ。「くしゃみと鼻水」か「空腹で就寝」かどちらを選べと、そういう話だろう。だったら「空腹で就寝」を選ぶよなあ……。
私に起きる体の不調は、かなりの確率でこの「食べ過ぎ」にからんでいるような気がする。元々胃腸があまり丈夫ではないから、ちょっとの食べ過ぎが余計に体調に響くのだろう。
いかに「むさぼりの心」を抑え、食べ過ぎないか。これからの私の大きなテーマになりそうだ。