マクロビオティックの食事において、最も重要なのは主食。
主食でほとんどの栄養を摂り、足りないものを少量のおかずで補うという考え方をする。
ゆえに、主食には必然的に栄養価の高い「全粒穀物」を選ぶことになる。
その全粒穀物の代表格が玄米だ。疑問の余地もない。米ぬか繊維はダイオキシンの吸着率がトップクラスだし(*1)、丸のまま煮て食べられるからエネルギーも高いし、入手もしやすい。
どう考えても優等生の玄米を日々の食事の主食とすることに何の異論もなく、私はマクロビオティックを勉強し始めてからすぐに主食を100%玄米に切り替え、毎日食べてきた。
体調は目に見えて改善したし(*2)、味わい深いから飽きることもなく、たちまち玄米は我が家の食卓を席巻した。
だがその陰で、ひっそりとなりを潜めたものがある。お好み焼きやスパゲティといった小麦粉料理だ。
それまでお好み焼きに使っていたのは国産薄力粉。スパゲティには道産小麦粉の麺。どちらも国産とは言え、精白小麦粉だ。玄米に比べ、栄養価が劣るのは明白。主食にはできない。
だから私はそれらの小麦粉料理を、おやつとして採用していた。玄米ご飯を主食とした食事を摂ったあとに、お好み焼きやスパゲティをおやつ代わりに食べるのだ。
食事ではなく、おやつ! 玄米が参入する前に比べ、明らかに小麦粉料理の地位は下がっていた。
そのことに特に不満も抱いていなかったのだが、ある日、創健社の薄力完粒粉なるものを母が自然食品店で見つけて買ってきた。何だこれは? ……パッケージの説明書きをよく読んで驚いた。国産薄力粉の全粒粉だというではないか。
薄力粉に全粒粉が存在していたとは!
日をおかず、母は、今度は有機栽培の全粒小麦スパゲティを見つけてきた。有機小麦の、しかも全粒粉を使ったスパゲティなんてものが売られていたとは!
このときから、小麦粉料理に再びスポットが当たった。
精白小麦粉だと抵抗感があって主食にできなかったが、全粒粉であれば安心だ。お好み焼きやスパゲティが、その日のメイン料理として食卓に上がるようになった。
小麦粉料理の地位復権だ。
玄米一本槍でも問題はないのだが、やはり、選択肢が多い方がいざというときに楽しい。薄力完粒粉と全粒小麦スパゲティは、マクロビオティック実践における小麦粉料理の救世主だ。
惜しむらくは、「強力完粒粉」がないこと! 薄力完粒粉があるのなら強力完粒粉もありそうなものだが、創健社のホームページを探しても見あたらない。
石臼挽き完全粉は準強力粉の扱いだからこれを使えば良いのかもしれないが、完全粉100%で焼いたパンが失敗したこともあり、できればもっと膨らむ力の強い「強力粉」の完全粉を使ってみたいという思いがある。
薄力完粒粉を生み出してくださった創健社さん、次はぜひ強力完粒粉を! いち消費者からのリクエストです!