当サイトに掲載のマクロビオティック料理レシピは、食物アレルギー対策用の「肉、卵、牛乳の除去食」がベースになっている。
基本のルールは、「肉、卵、牛乳を使わない」ということだけ。もちろんマクロビオティックの原則にかなうようできる限りの調整はするが、除去食由来の自由度も残している。
つまり、必要とあらば、マクロビオティック料理では通常あまり用いられない酢や粗糖、みりんなどを使う。
そのおかげか、当サイトのレシピは通常の家庭料理の雰囲気に近く、とっつきやすくて良いと言っていただくことがある。
マクロビオティックを実践なさっている方が、当サイトのレシピで料理を作ったところ、マクロビオティックとはかけ離れた食生活を送ってきたご家族にも喜んで食べてもらえたとのご報告をいただいたこともある。
大変心強く、ありがたいことである。
マクロビオティックを始めた当初、私は自分の作るマクロビオティック料理レシピの普通っぽさに不安感を抱いていた。
マクロビオティック料理って、もっと厳格な感じじゃなきゃいけないのではないだろうか? 酢や粗糖、香辛料、魚など、極限まで排さなければマクロビオティックとは言えないのかもしれない。
けれど、自分のやっていることでいいんだという思いも同時に持っていた。
「肉、卵、牛乳を除去」という方法論を用いた食事を摂ることで、私は生まれてからずっと自分の食物アレルギー、アトピー性皮膚炎とうまくつきあってきた。
その原則を守るだけでも十分だと思えるのだ。
酢だって、粗糖だって、確かに陰性かもしれないけれど、どさどさ毎日摂るってわけでもないんだから、使った方が美味しいなら使ってもいいじゃない。
みりんだって、日本の伝統的な和食の味を作るのには必需品。醤油だけのピリッとした味も良いけれど、みりんを使った甘くてまあるい味も大好きだ!
魚を食べない方が良いからって昆布だし汁や干し椎茸の戻し汁にこだわりすぎるのも窮屈。かつおだしの方が合う料理ってのもあるんだから、そういうときはかつおだしを使ったってまったく問題ないじゃない。
厳格なマクロビオティック料理の作り方を知っていることは確かに大切ではあるけれど、普通っぽい料理には誰にでも受け入れやすく、長く続けられるという利点がある。
「こんなんで大丈夫かなあ?」と思っていた除去食ベースのマクロビオティック料理だけれど、それこそを求めている方も世の中にはいる。
私にはせっかく長い除去食の歴史があるのだから。無理して自分をマクロビオティックの制限の中に押し込めず、除去食の経験を生かしてレシピを作ることで誰かの役に立てればいいなと思うのだ。