2009年4月に入ってから、当サイト「マクロビオティック料理」の「ご飯もの」カテゴリーにチャーハンレシピが増えたのだが、これには理由がある。
実はこのチャーハン、おにぎりにして妹の昼ご飯として持たせているものなのだ。「おにぎり一つで主食とおかずを兼ねる」のが狙い。いかに手間なく、早く、美味しく食べられて、その上栄養も摂れるか。
考えて行き着いたのがチャーハンおにぎり弁当なのである。
妹はパティシエとして働いているが、週の休みは一日で、毎日のように15時間ほど労働をしている。当然満足に自炊もできず、一人暮らししていた頃は不摂生のせいで体調を崩して嘔吐する事件も起こしたりしていた。
2009年3月末に私が妹のマンションにやってきたのには、そんな妹を助けるという意味合いもある。料理する時間がない妹の代わりに食事はすべて私が作り、妹の栄養面をサポートしていくことにした。
当初、私は「玄米ご飯の塩むすびと野菜のおかず」を弁当として持たせていた。だが、これだと、玄米ご飯の味がいまいち得意でない妹の食が進まないのだった。
食べられても、玄米ご飯100g。当然主食の量としては少ないからお腹も空いて、甘党の妹はチョコレートなどの間食に手が伸びてしまう。
どうしたら、もっと玄米ご飯を食べさせられるだろう?
妹は、「ご飯に味がついていれば食べられるかもしれない」と言う。だったら、おかずをご飯に混ぜてチャーハンにしてしまえ。
私は、妹に持たせるはずだった「玄米ご飯のおにぎりときんぴらごぼう」をフライパンで一緒に油炒めし、ついでにゆでた小松菜も加えて醤油と塩で味をととのえ、「きんぴらごぼうと小松菜のチャーハン」にしてしまった。
試しに100gの小さなおにぎりにして妹に持たせたところ、帰ってきた妹が「あれならもっと食べられる。次は150gにして」と言ってきた。
150gにすると、「もっと食べられる。200gでも大丈夫」と言う。
ついに、妹の玄米チャーハンおにぎりは200gになった。具も入った状態での200gだから玄米ご飯の量としてはもうちょっと少ないだろうが、それでも最初の100gしか玄米ご飯を食べられなかった頃に比べれば大進歩だ。
↑ジップロック(保存用袋)に入れたチャーハンおにぎり。
チャーハンおにぎりだと一気に作れば冷凍保存できるし、ラップにくるんだまま持って行くだけだから洗い物も出ず、作り手としても楽だ。
ただ、妹が一日のうちでしっかりとれるのは昼食、この玄米チャーハンおにぎりだけ。
なかばおにぎりだけが頼りで生きていくのだから、入れる具や味付けには妹がしっかり元気に働けるような配慮をしなければいけない。
私が意識しているのは、陽性の素材(根菜類や油揚げ、たまに魚)と陰性の素材(葉菜類やきのこ、生姜)を、やや陽性を多めにしてバランスよく入れること。
そして、肉体労働者は汗をかいて脱塩するから、塩を強めにきかせること(このへんは石塚左玄の考え方を参考にしている)。
こういうとき、本当にマクロビオティックを勉強して良かったなあと思う。
玄米チャーハンおにぎりを食べるようになって、「便通が良くなった」と言う妹。毎日大変そうなのは変わりないが、それでも体調はなんとか維持できているようだ。
マクロビオティックの知恵を生かして作ったおにぎりだからね! きっと体を支えてくれる。
けれど、いくら食べ物に気をつけていても、睡眠が不足すると健康を保てないからね! ちゃんと食べて、休養も取って、頑張れよ、将来のカフェマスター!