マクロビオティックを始めて、私が執着を断つのに最も成功したと言えるのはスナック菓子だ。
スナック菓子には一番依存していた。だからこそ今、とことん距離を保てるのかもしれない。極陽が転じて極陰となるように……。
だが、スナック菓子から離れられるときが来るとは、葛藤で苦しんでいるさなかには想像がつかなかった。
だって、美味しくてたまらなかったのだ。あの味の濃さ。こってりとしたチーズの風味。サクサクとした歯触り。ああ無理だ、離れようと思ったって離れられない。神様、こんな私をお許しください~!
と思いながら食べ続けていた。だから、親知らず抜歯後、熱がやっと下がったばかりの体でポテトチップを一袋半むさぼり食ったときも、まさかそれを最後にスナック菓子から離れることになるとは思っていなかった。
だが結局、本当に、あの2008年7月のポテトチップ暴食以後、私は一度もスナック菓子を食べずにここまできている。
私はそんな自分がいまだに信じられず、スーパーのスナック菓子コーナーにわざと立ち寄ることがある。欲しかったら買おう、もうそろそろいいよ、何か食べたいのない? と自分に問いかける。
けれど、「いや、いいわ……」と、スナック菓子を前にして、欲望はそっぽを向く。
なぜいらないのか? さらに自分に問うて出てくる答えは、「カロリーが高いから」。大体、スナック菓子は一袋で400キロカロリー以上あったりする。たいしてお腹がいっぱいになりもしないのに、400キロカロリーも摂ったらもったいない。そんな思いが先頭に立っている。
今の私は、同じ400キロカロリーならスナック菓子よりも満足できるおやつを知っているということなのだろう。たとえば、焼き芋、お好み焼き、ざるそば、うどん……。
同じ摂取カロリーでも、いかに体に良く、美味しいものを選んで食べるか? マクロビオティックを始めて以来、そんな合理的な精神が身についたように思う。
そんなわけで、私はスナック菓子コーナーから毎度立ち去ることになるのだ。「今日こそは買う!」と意気込んで行った日も、商品を目の前にするとたちまちその思いがかき消えるのが不思議である。
追記:その後、たまに食べるようになる
2018年追記:上記、マクロビオティック実践時代に、スナック菓子を数年間一切食べない時期があった。
だがその後、2009年に体調を崩し、マクロビオティックを卒業。(このへんのことについて詳しくは「マクロビオティック実践の果てに」参照)
自分なりの健康道に移行した現在は、スナック菓子もたまに食べるようになった。
だが、やはりあまり体に良くないという思いはあるので、極力、控える心がけはしている。