やらなければいけないことがあって、必死に取り組んでいるのに、思うように進まずにじりじりしていたとき。
「あ~ハーゲンダッツのアイスが食べたい」と苛立ちまぎれに思い、そんな自分を意外に感じた。
ハーゲンダッツのアイス? へえ、そんなものが食べたくなるなんて珍しい。
進みたくても進めず煮詰まっている状態というのは、たとえるなら焦がした醤油のような感じで、陽性が強いのだろう。
それを弱めるため、無意識のうちに「アイスクリーム」なんて極陰性のものが食べたくなったのかもしれない。
けれど、だからと言って本当にアイスクリームを食べなくてもいい。要は、イライラと陽性になっているのを優しい陰性で和らげられればいいのだ。
優しい陰性の筆頭
優しい陰性の筆頭は何か? りんごだ。
マクロビオティックにおいて果物は全般的に陰性だが、その中でもりんごは最も陽性でバランスが良いと言われている。赤く、実が堅く締まっており、寒冷地で採れるからだろう。
煮詰まったイライラにはりんごが効くに違いない! 私は早速、竹嶋有機農園のりんごを切って、皮付きのまま塩をふらずに1/2個食べた。
すると、思った通り、地団駄踏みそうなくらいにカリカリしていたのが、スーッと凪いでいくではないか。
落ち着きを取り戻した私は、気を取り直して再び作業に向かうことができたのだった。
もしアイスクリームを食べてしまっていたら、今度は陰性に傾きすぎて、やる気が失せたり、逆にしょっぱいものが無性に食べたくなったり、バランスをちょうど良いところで保てなくなっていただろう。
りんごであればその心配はない。バランスを崩さずに適度な陰性が欲しいとき、もってこいの食物だ。
煮詰まったときのイライラにはりんご。これを、今後の私の生活の知恵としたい。