マクロビオティック健康法
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「マクロビオティック健康法」を読んだ感想
1979年が初版の本で、久司氏の主張が過不足なくまとめられた一冊です。実用的でもあり、思想的でもあります。久司氏のマクロビオティック理論を深く学びたい方、クシマクロビオティックがどのように病気に向き合っていくか具体的に知りたい方には、この本をまずおすすめします。
序盤では、桜沢如一氏の教えの基本である「宇宙の秩序」、「無双原理」、「判断の7段階」が、わかりやすくかみ砕かれながら丁寧に解説されています。
特筆すべきは豊富な図表の量でしょう。図も表も22ずつ、計44あります。たとえば陰陽も、一般的な見分け方から「植物界の陰陽」「動物界の陰陽」「調理法における陰陽」など細かく分けて表になっており、わかりやすいです。
マクロビオティック食が、なぜ、どのように人間にとって良いのか、宇宙の起源からさかのぼって説かれているので納得できます。
また、食だけでなく、『祖先への尊敬と、子孫への愛』(p.119)など、高い霊性を得るための精神の持ち方にも触れられています。食という肉体面からのアプローチだけでなく精神面からのアプローチにも目を配っているところにバランスの良さを感じます。
『親に愛情を持って接しない人は、(略)宇宙秩序の次元からみれば、人としてまったく無価値だといえるでしょう。』(p.120)『親は絶対に子供に対して腹をたててはならず、また子供の前ではどのような人に対しても、怒りをあらわにしてはいけません。』(p.126)
個人的に本書で最も興味を持ったのは、「癌(ガン)の進み方」です。『第一段階(正常な状態)』から『第五段階(癌の発生)』まで、身体の状態、症状とその原因が解説されており、自分が一体どの段階にいるのか、健康度合いをはかるための指標になります。
筋肉組織、循環器、骨と関節、消化器系、呼吸器系、泌尿組織における不調が、症状ごとに陰の不調と陽の不調に分けられて表になっています。これは、自分が陰性の病気か陽性の病気かを判断するのにとても役立ちます。
そして、陰性の病気と陽性の病気を環境や食事内容からそれぞれ中庸にととのえるための方法が後のページに載っています。まさに至れり尽くせりです。
本書では、久司氏のユーモアも顔を出しています。ソクラテスの、『ともかく結婚しなさい。妻が良ければあなたは幸せになります。悪い妻だったら、あなたは哲学者になります。』という言葉を引用したあと、『久司道夫はこれに加えて、「とにかく結婚しなさい。夫がよければ幸せです。悪い夫だったら、あなたは聖人になります」といっています。』(p.133)なんて、しれっと書いてあるのです。
どうしてそんなことを考えるに至ったのか、色々と勘ぐってしまいそうになります。固く難しい内容の中で、ふっと笑ってしまった箇所です。
「食物を使った民間療法」の章では、代表的な自然療法のレシピがわかりやすく説明されています。熱を下げ、発汗を促す効果のある「第一大根湯」、エイズ、癌、アトピー性皮膚炎、糖尿病に効く「甘い野菜のスープ」など。使えるものだけ厳選して載せてある感じなので、日々の暮らしに役立つと思います。
また、「正しい食習慣への移行期の問題」(p.187)を取り上げ、以前好きだったもの(動物性食品など)を少し摂りながらもゆるやかにマクロビオティック食へ移行できるよう具体的なアドバイスが書かれているのも、初めての方にはありがたいポイントでしょう。
久司氏の著作のエッセンスがすべて詰まっているような本なので、お得感があります。久司氏の本をどれか一冊……と言ったとき、実はもっともおすすめかもしれません。
序盤では、桜沢如一氏の教えの基本である「宇宙の秩序」、「無双原理」、「判断の7段階」が、わかりやすくかみ砕かれながら丁寧に解説されています。
特筆すべきは豊富な図表の量でしょう。図も表も22ずつ、計44あります。たとえば陰陽も、一般的な見分け方から「植物界の陰陽」「動物界の陰陽」「調理法における陰陽」など細かく分けて表になっており、わかりやすいです。
マクロビオティック食が、なぜ、どのように人間にとって良いのか、宇宙の起源からさかのぼって説かれているので納得できます。
また、食だけでなく、『祖先への尊敬と、子孫への愛』(p.119)など、高い霊性を得るための精神の持ち方にも触れられています。食という肉体面からのアプローチだけでなく精神面からのアプローチにも目を配っているところにバランスの良さを感じます。
『親に愛情を持って接しない人は、(略)宇宙秩序の次元からみれば、人としてまったく無価値だといえるでしょう。』(p.120)『親は絶対に子供に対して腹をたててはならず、また子供の前ではどのような人に対しても、怒りをあらわにしてはいけません。』(p.126)
個人的に本書で最も興味を持ったのは、「癌(ガン)の進み方」です。『第一段階(正常な状態)』から『第五段階(癌の発生)』まで、身体の状態、症状とその原因が解説されており、自分が一体どの段階にいるのか、健康度合いをはかるための指標になります。
筋肉組織、循環器、骨と関節、消化器系、呼吸器系、泌尿組織における不調が、症状ごとに陰の不調と陽の不調に分けられて表になっています。これは、自分が陰性の病気か陽性の病気かを判断するのにとても役立ちます。
そして、陰性の病気と陽性の病気を環境や食事内容からそれぞれ中庸にととのえるための方法が後のページに載っています。まさに至れり尽くせりです。
本書では、久司氏のユーモアも顔を出しています。ソクラテスの、『ともかく結婚しなさい。妻が良ければあなたは幸せになります。悪い妻だったら、あなたは哲学者になります。』という言葉を引用したあと、『久司道夫はこれに加えて、「とにかく結婚しなさい。夫がよければ幸せです。悪い夫だったら、あなたは聖人になります」といっています。』(p.133)なんて、しれっと書いてあるのです。
どうしてそんなことを考えるに至ったのか、色々と勘ぐってしまいそうになります。固く難しい内容の中で、ふっと笑ってしまった箇所です。
「食物を使った民間療法」の章では、代表的な自然療法のレシピがわかりやすく説明されています。熱を下げ、発汗を促す効果のある「第一大根湯」、エイズ、癌、アトピー性皮膚炎、糖尿病に効く「甘い野菜のスープ」など。使えるものだけ厳選して載せてある感じなので、日々の暮らしに役立つと思います。
また、「正しい食習慣への移行期の問題」(p.187)を取り上げ、以前好きだったもの(動物性食品など)を少し摂りながらもゆるやかにマクロビオティック食へ移行できるよう具体的なアドバイスが書かれているのも、初めての方にはありがたいポイントでしょう。
久司氏の著作のエッセンスがすべて詰まっているような本なので、お得感があります。久司氏の本をどれか一冊……と言ったとき、実はもっともおすすめかもしれません。