ゼン・マクロビオティック

著者でありマクロビオティック創始者の桜沢如一さんが『西洋に来るまえに、私は日本語で三百冊以上もの本を出しましたが、こんなにも多くの解答をのせた本はただ一冊もないのです。』（p.61）とおっしゃっているように、マクロビオティックの理論や実践方法が過不足無く網羅されている一冊です。

内容がよくまとまっていて、参照する機会が一番多い本です。マクロビオティックを学ぶなら、何はなくとも持っていた方が良いと思うし、この本から始めれば間違いないと思います。

飲食物の陰陽表やマクロビオティックにおける決まりごと、－３号食から７号食までの説明（穀物１００％の７号食が最上）が載っていて実用的です。

主な病気（風邪、下痢、湿疹など）への対症療法の仕方や、手当法（しょうがシップ、塩温石など）も載っていて便利です。

食事内容だけでなく、人生におけるマクロビオティックの生かし方が説かれている点も興味深いです。幸せに生きていくヒントがたくさん書かれています。

『ユーモアと、ほほえみと、ここちよい話し声と、「ありがとう」という簡素な言葉を、どんな境遇にあっても、できるだけたくさんバラまくことです。』『東洋流の「ギブ・アンド・ギブ」をマネしたからといっても、失うものは何もありません。なぜなら、あなたは生命そのものを、すなわち全宇宙を、何も払わずにもらったのですから』（p.50)

ゼン・マクロビオティックを読めば、マクロビオティックはただの食事療法ではなく、人生を豊かにするための哲学なのだとわかります。

わかりやすい語り口なのに書いてある内容は深く、非常に読み応えがあります。変に読者に媚びていないのも気持ち良いです。